米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)について解説!! お気に入りに追加
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知っトク!農政#02

稲|

米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)について解説!!

米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)について解説!!

米価等が下落した際の収入減少による農業経営への影響を緩和するため、当年産の販売収入が標準的収入を下回った場合に、その差額の9割を補填するナラシ対策。加入要件は?補填額は?など、平成27年産からのナラシ対策について解説します。
(この記事は、平成26年12月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.30』を元に構成しています)

 


 

1交付対象者

 平成27年産からは、認定農業者、認定新規就農者、集落営農を対象に交付されます(いずれも、規模要件はありません)。

参考
●認定農業者になるには?
 自らの農業の5年後の目標やその達成に向けた取組等を内容とする「農業経営改善計画」を作成し、市町村の認定を受けることが必要です。

●認定新規就農者になるには?
 経営を開始してから5年後の目標やその達成に向けた取組等を内容とする「青年等就農計画」を作成し、市町村の認定を受けることが必要です。

●集落営農の要件は?
 集落営農については、規模要件が無くなるほか、さらに、これまで必要とされていた、
 ①組織の規約の作成、
 ②対象作物の共同販売経理の実施、
 ③法人化計画の作成、
 ④地域における農地利用の集積及び
 ⑤主たる従事者の所得目標の設定という5つの要件を見直し、今後は、
 ①組織の規約の作成及び
 ②対象作物の共同販売経理の実施
 の2要件を満たすものが対象とされることとなり、法人化や農地利用の集積については、市町村が判断することとなりました。また、主たる従事者の所得目標の設定は要件から外されることとなりました。

2交付対象数量

①米
 生産数量目標の範囲内で生産された、農産物検査3等以上のもの(種子は除く)で、主食用として収穫年の翌年の3月31日までに、
 ●JAや集荷業者に販売、又は販売
  を委託して出荷したもの
 ●農業者又は農業者から委託を受け
  た者(JAや集荷業者以外)が、消費者等に販売することとしたもの
 が対象となります。
②麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ
 数量払いの交付対象数量となったものが対象です。

3補てん額

 当年産の販売収入の合計が、標準的収入を下回った場合に、その差額の9割を、国からの交付金と農業者が積み立てた積立金で補てんされます。国からの交付金は、農業者が積み立てた積立金の3倍の額となります。

注1)補てんを受けるには、対策加入者も予め一定額の積立金を拠出することが必要です。この積立金の額について、10%コースと20%コースが設けられています。

注2)交付金の加入や支払の時期は、下記の表のように、当年の6月30日までに加入申請・積立申出を行い、7月31日までに積立金の拠出を行います。また、交付金の支払は、翌年の4月末までに交付申請し5~6月頃に支払われます。

注3)収入減少による補塡が行われなかった積立金や補填を行ってもなお積立金に残額がある場合については、その積立金は、返却も可能なほか、翌年以降の収入減少に備え繰越・積立できますので、掛け捨てとはなりません。

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ナラシ移行のための円滑化対策(平成26年産限り)について

 平成27年産からは、ナラシ対策の加入者への規模要件はなくなりますが、規模要件が残る平成26年産に限り、ナラシ対策に加入していない方の平成27年産からのナラシへの移行を円滑に進めるため、農業者の拠出を求めずに、ナラシ対策による交付金が支払われる場合に、その国費分相当の5割を交付する対策が実施されます。

1交付対象者
 26年産の米の直接支払交付金の交付対象者のうち、ナラシ対策に加入していない農業者の方が対象です。
2交付対象品目
 米(ナラシ対策の米の対象範囲と同じとなります。)
3補てん額
 26年産のナラシ対策の国費分相当の5割が交付されます。農業者の拠出はありません

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