このページでは、農業生産関係を中心に「みどりの食料システム戦略」の目指す方向を解説しつつ、
本戦略の実現に向けて営農現場での活用が期待されるクボタの農業機械とそれを核とした営農技術をご紹介します。
みどりの食料システム戦略について
2021年、農林水産省により、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するための政策方針としてみどりの食料システム戦略が策定されました。
このみどりの食料システム戦略の実現に向けて、2022年7月には「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」(みどりの食料システム法)が施行されました。
農業者は、みどりの食料システム戦略認定を受けることで、税制特例や無利子融資等の支援措置を受けることができるほか、補助事業の優先採択を受けられるといったメリットがあります。
活用が期待される、クボタの技術紹介
農業生産関係を中心に、以下の4つの項目に分けて「みどりの食料システム戦略」の目指す方向を解説しつつ、
営農現場での活用が期待されるクボタの農業機械とそれを核とした営農技術をご紹介します。
1温室効果ガス削減に向けた技術
温室効果ガスの排出量削減のためには、耕地土壌からの二酸化炭素や一酸化二窒素の排出、主に水田土壌や家畜の消化管内や排せつ物からのメタンの排出、燃油消費などを抑制する有効な対策を早急に実行しなくてはなりません。また、現在及び将来の気候変動が農業生産に及ぼすさまざまな変化に適応した農業へと変革していくことが重要です。農作業の効率性を高めるスマート農業技術、水田の中干し期間の延長、ヒートポンプなどの技術を導入し、営農システム全体を改善するとともに、省資源化と収益性の向上につなげ、持続的な農業の確立を図りましょう。
2化学農薬の使用量低減に向けた技術
農業において、防除に伴う環境負荷を低減する観点や薬剤抵抗性の発達による防除困難事例の出現リスク回避のため、化学農薬の使用量低減が求められています。このため、クボタでは、クボタ営農・サービス支援システム「KSAS」を利用した適切なほ場管理とともに、各種機器の活用による農薬低減技術を提案しています。
3化学肥料の使用量低減に向けた技術
化学肥料の過剰施用は、環境汚染や温室効果ガスの発生とコストの増加につながります。クボタは、社員の土づくりに関する知識の向上に取り組むとともに、精密施肥技術として、KSASを核とした食味・収量センサ付きコンバインデータやドローンセンシングを基にした可変施肥や露地野菜の局所施肥機、施設園芸の環境自動制御などにより化学肥料の使用量低減技術を提供しています。
4有機農業の取組面積拡大に向けた技術
有機農業は、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないことを基本としています。みどり戦略では、2050年を目標年次とするKPIの中で、有機農業では耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大という大きな目標が設定されました。これを受けて、全国各地で有機農業推進の取組が展開しています。ここでは、有機農業に役立つクボタの機械、有機農業の営農事例、教育現場での事例について紹介します。