【お客様の声】中干し期間の延長への不安はありましたが、まずはやってみること。
秋田県大潟村 涌井様
秋田県大潟村であきたこまちを中心に、水稲を合計約100haと大規模に経営されている㈱大潟村あきたこまち生産者協会様と㈱みらい共創ファーム秋田様。「中干し期間の延長を行うことへの不安はありましたが、まずはやってみること」、涌井 茂様にお話しをお伺いしました。
地球温暖化が農業に与える影響について気になっていました
出穂の早まり、高温障害による乳白米発生、品質低下など、水稲への影響が顕著となり、大きな問題となっています。また集中豪雨、長雨、連続的な高温傾向など、これまでに無かった悪天候や天候不順は、地球温暖化の影響を強く受けていると認識しています。これらへの対策として、中干し期間の延長が大きく貢献すると聞き、この脱炭素に向けた取り組みを導入したいと思いました。
収量・品質に中干し期間の延長の影響は出ませんでした
中干し期間をさらに7日間延長することへの不安はありました。水稲の幼穂形成期(出穂前23日前後の籾の形成時期)への影響、好天候が続いた場合の水不足の影響などを考えていましたが、まずはやってみること。天候、生育、土壌乾燥状況を観察し、その後、判断しようと思い、取り組みを始めました。これまで中干し期間の延長を2年行っており、1年目は比較的好天候、2年目は雨続きでしたが、水稲の生育には特に問題なく、収穫量、品質にも影響は出ませんでした。
さらに取り組み面積を拡大していきたい
過去2年間の実績を生かし、2024年度は、さらに取り組み面積を拡大して脱炭素への一助としたいと考えています。中干し期間の延長による脱炭素への取り組みは、誰でも、手間も少なく簡単にできる技術だと思います。特定条件の水田(※)を除けば、生育障害リスクも少ないと感じています。ぜひ他の農家の皆さんにも、この中干し期間の延長に取り組んでいただき、農業生産現場から脱炭素を発信してほしいです。
※特定条件の水田:特に砂質~砂壌土の水はけの良い土壌型や、潅水作業等が困難な水田