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出穂期を迎え、移植と遜色ない穂数を確保できています

ドローンで鉄コ実証圃を防除、これまでは、ラジコン動噴できつい作業でした
出穂期を迎え、移植と遜色ない穂数を確保できています

  • 新潟県新発田市 / 農事組合法人アドバンファームしばた 理事 本間 清起様
  • 水稲88ha:移植80ha(稚苗移植66ha、密播苗移植14ha)/鉄コーティング直播8ha) 園芸:ハウス栽培52a(イチゴ28a/チューリップ切花24a) 露地栽培255a(枝豆1.2ha/ブロッコリー1.0ha/アスパラガス:35a)
  • 栽培管理
  • 新潟県
  • 農事組合法人アドバンファームしばた 本間清起様
  • 2018/08/29

全国的に異常気象と言えるほどの猛暑が続く中、新潟県新発田市のアドバンファームしばた様の鉄コーティング直播(以下鉄コ)圃場は、順調な生育で推移し、ついに出穂期を迎えました。また、同法人では、昨年、農業用ドローンを導入。夏場の防除作業の効率化と軽労化を図っておられます。そのドローンを使用し、8月20日に鉄コの実証圃を防除。併せて、新潟クボタによるクボタ農業用ドローンMG-1Kの実演も行われました。今回は、鉄コの出穂期における生育状況と、農業用ドローン導入による経営効果についてお聞きしました。

     


㎡当たり約450本の穂数を確保
出穂期を迎えて順調な生育で推移しています

鉄コの品種は全てコシヒカリBLです。出穂始めが8月15日から16日くらいで、出穂期は8月17日頃です。今は、7~8割が出穂し、穂揃い期となったところです。昨年より気温が高く、雨も少なかったのですが、出穂時期は、ほぼ平年並みでした。今年は、茎数もけっこう確保できていて、8月20日の生育調査では、㎡当たりの穂数は約450本と順調な生育を示しています。鉄コは、基肥一発肥料を施用しているので、穂肥は行わない予定でいたのですが、今年は、新発田地域も猛暑で、雨が降らず日照りが続いたので、8月上旬に、窒素成分で1kgほど追肥を行いました。

今年は、気温が高いので、入水しても次の日には水がなくなるという感じでしたので、水管理には苦労しました。今年ほど溝切りの有難さを感じたことはありません。溝のお蔭で圃場に素早く水が回りますからね。今の時期は、水が一番大事な時期なので、花粉が落ちるまで、花が咲いてる間はなるべく水を張るように気をつけています。

   

鉄コは、移植と比べて、強め、長めの中干しを心がけながら茎数を調節して管理を行いましたが、それ以外の管理は移植と同じです。鉄コは出穂が移植より遅れるので、登熟時期には気温も少し涼しくなります。昨年みたいな冷夏ですと、登熟が悪くなることもありますが、今年のように猛暑が続く年は、高温障害を回避でき、品質もよくなるのではないかと思っています。

当初は、枕地辺りの出芽が少し悪く、見た目にもあまりよくなかったので、少し心配していましたが、目標である穂数が確保できたことで、今は安心しています。収穫は10月10日前後の予定です。今後は、収穫時期までしっかりと水管理して、後は台風が来ないことを祈るだけです。コシヒカリの目標収量は移植で8俵半、鉄コも移植並みに8俵半取れればと期待しています。

     

防除作業の効率化を目的に、農業用ドローンを導入
一番のメリットは、大区画圃場での作業軽労化

昨年、夏場の防除用に農業用ドローンを導入しました。炎天下での夏場の防除作業は重労働ですから、ドローンを導入することで従業員の負担軽減にもなります。

うちと同じような大規模面積の法人組織で、ドローンで作業の効率化を図っているということを聞いたものですから、それならうちでも対応できるかなと思って導入することにしました。去年は1年目で、オペレータもまだ操作がぎこちない感じだったので、作業的にもロスがあったのですが、今年は、2年目ということで、操作もとてもうまくなって、効率よくスムーズに作業できたと思います。

     

ドローン導入のいちばんのメリットは、大区画圃場での散布ですね。今まではラジコン動噴2台で作業していましたので、圃場の真ん中までホースを引っ張って入らなければなりませんでした。もうそんなことをせずドローンで散布できる。従業員も楽になりましたし、それが一番良かったですね。

圃場が1ヵ所に集まっていればドローン1台で作業できるかもしれませんが、圃場が分散してますし、未整地や中山間地もありますから、ドローン1台だけではまだまだ時間がかかると思います。私たちが枕地をラジコン動噴で散布してやるだけでオペレータも気持ち的に楽だと思うので、ドローン主体でラジコン動噴と組み合わせる形でやっていくつもりです。

新潟クボタに実演していただいたMG-1Kは、飛行しているのを初めて見たのですが、率直に「いいな」と思いましたね。機体の形状自体も違うのですが、飛行にブレがないというか、安定飛行でした。音も静かでしたね。モーターやバッテリーに負荷がかからない分、飛行時間も長いのかなと思いました。オペレータも気軽に操作できるように見えましたし。いいきっかけがあれば入れ換えもありかなと思いました。

     

 

   

 

 

 1ha当たり30〜40分だった作業時間が約10分に短縮。ドローン導入で、防除作業が苦にならなくなりました!

 

Q1)防除の時期、薬剤について教えてください。

A1)水田面積は約88ha。7月下旬から8月下旬まで約1ヶ月の間に、ほぼ全面積実施しています。早稲の品種は2回、コシヒカリは1回防除します。1回目の防除は、バリダシン(紋枯病等)、カスミン液剤(いもち病等)、MR.ジョーカーEW(カメムシ類、ウンカ類等)の3剤を混合して散布します。穂が少し垂れてきたら2回目にブラシンフロアブル(穂いもち・穂枯れ性病害)とスタ-クル液剤(カメムシ類・ウンカ類等)で防除を行います。コシヒカリBLはスタークル液剤(カメムシ類・ウンカ類等)で防除します。

 Q2)ドローン導入前の防除作業は?

A2)夏場の防除は、一昨年までは、ラジコン動噴2台を使って、ホースを引っ張りながら、がんばって手で撒いていました。小さい圃場はまだマシなのですが、基盤整備された大きな圃場は、ホースを引っ張って圃場の真ん中まで行くのが辛くて、とても大変でした。圃場の中は、田面が乾いている所ばかりでは無く、ぬかるんでいたりもするので、足はとられるし、ぐちゃぐちゃの中でホースを引っ張ると下半身はずぶ濡れになります。ものすごく疲労感があるので一日中は本当にできない作業です。でもこの防除をしないと、病気やカメムシの被害にあっていいお米になりませんからね。

Q3)ドローン導入後の作業体系は?

A3)昨年からドローンを使用しています。圃場の周辺には障害物もあるので、安全面や作業効率を考えて、ドローンだけでなく、ラジコン動噴を組み合わせて防除しています。ラジコン動噴を担当する人が、圃場の枕地部分を歩いて散布していって、私たちがドローンで枕地以外のところを直線で散布していくという形で作業を行っています。ドローンのお陰で圃場に入らずによくなったので、作業が苦じゃなくなりました。本当に楽になりました。

Q4)作業効率は?

A4)ドローンでの散布は、1haを10分前後で終わります。以前のラジコン動噴だけだと30~40分はかかっていました。圃場の真ん中までホースを引っ張るのがまず大変。しかもずっと散布しながらは歩けないので、真ん中まで歩いていって一旦止まって散布します。3~4回移動して止まっては散布の繰り返しです。ドローンを導入したことで、作業時間は大幅に短縮されました。

㈱クボタ アグリソリューション推進部
齋藤 祐幸 技術顧問


 

出芽時の心配を払拭する出穂期の生育状況
移植に近い終了を見込める穂数を確保できています

 

鉄コの教室はコシヒカリBLで実証しています。実証圃場にいては、出穂期が8月17日、8月20日の生育調査では、稈長はやや短めで80cm、穂数が㎡当たり450本でした。最高茎数がそれほど多くなかったので、有効茎歩合は約79%ですから、かなりいい状態で穂数が確保できたかなと思っています。葉色(SPAD502)については37くらいありました。先日、出穂したときに圃場に来た時には、サンプリングの多少の誤差はありますけど、35くらいでした。極端に葉色の変動が無いし、低下しているということもありません。数値的にも、高くもなく、低くもなくという出穂してから非常に良い栄養状態で過ごせていると推察しています。

春先、出芽の状況から、少し心配した時期もありましたけれど、今の状況だと、かなり期待するというか、落胆することはないと思います。上から見ると多少の穴はあるのですが、これは直播の宿命ですから、きれいな状態を求めるようなら直播はできません。収量については、期待値としては移植並みの8.5俵を見込みたいところですが、現実的には、8俵超えて500kgに近づくところに落ち着くのではないかと思います。

     

 

夏場の防除を省力・軽労化できる農業用ドローン
大規模営農の強い味方に

今、新潟県内で、農業用ドローンが約50機は導入され、オペレータも200人ほど確保されています。今後、大規模な面積に取り組むにあたって、夏場の暑い時期に防除のために圃場の中を歩き回るというのは大変な作業ですし、稲の生育を考えた場合、できればあまり圃場入らない方がいいわけですから、防除効果が確保されるようであれば、軽労化という意味を含めて、ドローンの活躍の場というのは今後、多くなると思います。

共同防除の場合は、個人で適期防除するように思うような時期に防除ができないと不満を持っておられる方がいますので、その点、ドローンであれば、フットワークも軽く、適期に散布できる可能性も高いですから、稲の側からしても適期防除をきちんと履行できるという意味でも、ドローンは有効だと思います。

導入コストの面から考えた場合には、経営面積が5~10haの経営体では難しいと思いますが、20ha以上防除する経営体であれば、導入する価値はあると思います。また、労力的に余裕があれば、受託防除作業を行うことによってコストを下げることも可能だと思います。ただ、大規模経営体にドローン1台というわけにはいきませんから、アドバンファ-ムのように、既存の別の機械で補助、補完してもらう、もしくは面積に応じた台数の導入等の検討が必要です。

     

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