鉄コーティングとは?
鉄コーティングとは?
「鉄コーティング直播栽培」は育苗せず、種籾を鉄粉・焼石膏でコーティングして代かきした水田の表面に機械点播(条に一定の間隔で点状に播種)する栽培方法です。
育苗・移植作業の軽減により、春作業の労働時間の大幅な低減を図ります。また、出穂期・収穫期が移植栽培より遅れるため収穫作業が分散できるという効果もあります。


鉄コーティング湛水直播栽培のメリット
省力、軽労化が図れます

・移植栽培と比べ、育苗作業・苗運搬が不要で約60%の労働時間の短縮が可能です。農閑期にあらかじめ種子を粉衣でき、長期保存が可能になります。
・移植作業が不要で、播種作業が1人でもできます。
軽労化で高齢者の方でも生涯米づくりが行えます

小規模農家や高齢者に向けた省力、軽労化にも極めて有効で、生涯米づくりが行えます。
生産コストの低減ができます

・育苗作業が不要で、種苗費や資材費、労働費などの削減が図られ、約36%の生産コスト低減が見込まれます。
・粉衣資材費も安くできます。
鳥害や病害の発生が少ないです

・鉄コーティングをすれば、表面が硬くなるため、スズメの食害の心配が少なくなります。また、水がなければ、カモの習性から食害を抑制できます。
・鉄コーティング処理により種子伝性病害の発生が少なくなります。(2009年日植防報告 井上ら)
作期分散と機械施設の効率的利用ができます

・出穂期・収穫期が移植栽培より遅れるので、移植栽培と比べることにより、作期分散が図れ、機械や施設の効率利用ができます。
・移植栽培と直播栽培を組み合わせることで、稲作経営規模拡大が可能になります。

農地や経営流動化に対応した大規模農家では、春の労働ピーク解消を図る育苗作業を省略する必要があり、それは複合営農の導入にも大きく貢献できます。
品質食味が向上できます

生育期間が移植栽培に比べて5~10日遅くなるので、近年多発する高温登熟による障害が避けられ、早期品種では乳白色米などの発生が少なくなります。
播種量と出芽状況を確認できます

表面播種なので、播種量や出芽状況を目で見て確認できます。