キャベツ1条植え機械化体系における省力化・軽労化・安定生産技術の確立(兵庫県・平成25年度) お気に入りに追加
お気に入りに追加

兵庫県|

キャベツ|

キャベツ1条植え機械化体系における省力化・軽労化・安定生産技術の確立(兵庫県・平成25年度)

キャベツ1条植え機械化体系における省力化・軽労化・安定生産技術の確立(兵庫県・平成25年度)

機械作業の効率のよいキャベツの1条栽培について、機械省力化・軽労化のための実証事例をご紹介します。対象農家の評価は高く、特に中耕・除草(中耕カルチ)は作業速度・性能が慣行作業体系に比べて非常に高い結果となりました。

 


 

背景およびねらい

◆背景
 本県では、加工・業務用キャベツの生産振興を推進しており、平成24年度からは集落営農組合を中心にプロジェクトを推進している。
その中で技術的な課題として次の3つの課題に対応するため技術実証試験に取り組んだ。
①通常、県下の水田キャベツの畝は、120~130cm前後の2条植えであるが、集落営農組合が多く所有する大豆用の機械装備では、畝幅60~70cmであるため、併用することができない。
②ゲリラ豪雨等により除草剤の効果が不安定。また、収穫・搬出作業が天候に左右される。
③都市近郊地域では、堆肥の利用が臭い等の問題で制限される。

◆目標
(1) 機械作業効率のよい1条栽培での機械省力化・軽労化をめざす。
(2) 畝立て同時施肥で効率的に畝立て、施肥を行う。
(3) 中間除草・中耕・追肥等を機械作業で行う。
(4) リフトキャリアを使用し、天候に左右されないほ場からの搬出を行う。
(5) 土づくりとして都市近郊でも利用できる緑肥を活用し、機械体系による裁断・鋤込みを行う。

結果の概要および考察

1.緑肥刈取(フレールモアー):
作業時間が早く、ロータリーによるすき込みも容易である。

2.排水対策(リターンディッジャ):
明渠の横に土を盛ることがなく、後の作業も問題なく行えた。また、畑地における周囲明渠は、土壌流亡対策になる可能性がある。

3.畝立+基肥(畝立同時施肥):
1条植えは、作業時間も早く、近年、天候が不安定な8~10月の状況で有効である。

4.中耕・除草・追肥(中耕カルチ+施肥機):
1条植えであれば、今回のように中耕・除草の機械化ができる。追肥も中耕・除草と同時に行えるので軽労化効果は高いと評価された。

5.搬出(トラクター):
トラクターにリフトキャリアを装着して作業したため、そのまま圃場に入ることができた。逆に、実証区は、軽トラックに積み替える作業が追加となった。

今後の課題・展望

 今回は、畑地における1条植機械体系を実証し、省力化・軽労化につながることが実証できた。水田においても条件を満たせば1条植機械体系も可能であることを実証していく必要がある。水田において、1条植えでは排水対策が課題となると予想されるので、さらに弾丸暗渠などを加えた排水対策の実施を検討する。
 また、2条植えにおいても初期の除草剤散布と併用する等、中耕・除草・追肥の機械体系の効果を検討する必要がある。 今回、軽労化評価によって実証体系は、慣行体系よりも有利であることが分かったが、実際の圃場面積は、機械の旋回等を考慮すると多く必要になる。圃場面積で反収等を評価すると目標値よりも数値が低くなるので注意したい。


もっと詳しく!今回ご紹介した記事の全文はこちら http://www.jeinou.com/2014/07/post_16.html
(みんなの農業広場の該当記事へリンクします)

この記事をシェア