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大規模水田輪作×園芸作物

スマート農業加速化実証プロジェクト

新潟県|

稲|大豆|

【新潟市スマート農業複合経営モデル実証】大規模水田輪作(水稲・大豆)における園芸作物(枝豆)導入に向けて

【新潟市スマート農業複合経営モデル実証】大規模水田輪作(水稲・大豆)における園芸作物(枝豆)導入に向けて

 新潟市が中心となり設立した「新潟市スマート農業複合経営モデル実証コンソーシアム」。コンソーシアムに参画する株式会社白銀カルチャー様では、「スマート化」「自動化」「見える化」の3つの視点でスマート農業一貫体系の実証を行い、それによって生まれた余剰労力で収益性の高い園芸作物(枝豆)を導入し、水稲・大豆・枝豆を中心とした大規模複合農業経営の収益向上と安定化を目指しています。

(この記事は、2019年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.37』を元に構成しています)

 


 

 新潟市では、高齢化等に伴う農業就業人口の減少、離農による農地の引き受け、次世代の後継者への知見や技術伝承等、農業が抱える様々な課題に対し、国家戦略特区(農業特区)の指定以降、農地を効率的に維持・管理していくためにはスマート農業の実装が不可欠だと、革新的技術を有する企業と連携して、積極的に実証試験を行ってきました。
 この一連の流れから、新潟市が中心となり「新潟市スマート農業複合経営モデル実証コンソーシアム」を設立。今回、スマート農業実証プロにおいてコンソーシアムの課題として応募した「大規模水田輪作(水稲・大豆)における園芸作物(枝豆)導入に向けたスマート農業一貫体系の実証」が最先端の技術を生産現場に導入・実証する取組みとして採択されました。

北陸地域の水田農業を農研機構とともに模索

 コンソーシアムに参画する農業者は、秋葉区で水稲・大豆・枝豆を中心とした大規模複合経営を営む株式会社白銀カルチャーです。荒木社長は、「私たちの法人は、平成15年に地域の担い手農家6戸で組織化しました。設立当時40haくらいだった作付面積が、今年度約100ha規模にまで拡大しています。経営上の一番の課題は、地域の水田農業をどうするか、どうやって所得を確保していくかということです。この命題について、農研機構と一緒に取り組んできました」と語ります。同法人は、北陸地域における水田農業の課題を解消するため、実証農場として農研機構に協力。無代かき水稲不耕起V溝直播栽培、大豆狭畦密播栽培などの実証試験を行ってきました。

低コスト農業とスマート農業を組み合わせて収益向上を目指す

 「水稲、大豆の労働時間を減らして、その浮いた時間で園芸作物を導入していくということで、昨年から本格的に枝豆に取り組みました。夏の干ばつと秋の長雨で収益の柱である稲や大豆の収量と品質が低下した中で、枝豆は影響を受けず収益を確保できました。リスクを分散していた方が、安定的な経営ができますので、今後、園芸作物へシフトする傾向になっていくと思います」と荒木社長。
 また、スマート農業の実証について、「よいチャンスをいただけたと考えています。低コスト技術とスマート農業を組み合わせることで、水稲、大豆における労働時間をさらに削減できます。課題は、自動化してどの方向に進んだらいいのかということです。直販に進むか、園芸作物を大規模に展開すればいいのか、この辺を模索しながら、皆さまの知恵をお借りしたいと考えて います」。

3つの視点(スマート化、自動化、見える化)でスマート農業の作業体系を実証

 白銀カルチャーでは、スマート化、自動化、見える化の3つの視点(実証項目参照)で、スマート農業一貫体系の実証を行い、省力化・効率化により生まれた余剰労力で収益性の高い園芸作物(枝豆)を導入し、水稲、大豆、枝豆を中心とした大規模複合経営の中で農業経営の安定化や所得向上を目指します。
 農研機構の関グループ長は、「私たちが実証しようとしているのは、アグリロボによる自動運転はもちろんなのですが、従来機に後付けができる自動操舵補助システム等を利用した、コストをかけないスマート農機の導入も対象としています。これらのシステムを導入することで、今ある機械をスマート化することができます。それで徐々に負担を減らして、次のステップにつなげていく。私たちが目指しているのは、スマート化のレベルの見極めなのです。その結果、農家の方の経営規模に合わせて、最初に何を導入すれば自分たちの問題が解決されるかという基準を出せればと考えています」と実証の考え方を説明します。

若いフタッフに意識変革をもたらすスマート農業

 荒木社長は、スマート農業への取組みが、スタッフの気持ちにもよい意味で変化をもたらしていると感じています。「新しいことに挑戦することで、特に若い人はモチベーションが上がってくるんじゃないでしょうか。自信を持って取り組んでいると思いますし、意欲的に動いていると感じます。この事業は若い人がいて初めて成り立つ事業だと考えています。この若い力で、他産業に負けない組織をつくり、地域に貢献していきたいですね」と語る荒木社長。その目には、次世代の担い手が活躍する新たなスマート農業の姿が見えているようです。

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