クボタ ソリューションレポート #9
千葉県|
稲|
今、WCS用米などを取り組む大規模経営者の中で導入が増えている乾田直播技術。その中でさらに、事前の耕起が不要なのがクボタ グレートプレーンズの不耕機汎用ドリルです。3月30日に播種をおこなったのち、7月18日に千葉県佐倉市の実証圃場を訪れ、生育状況を確認しました。
【 耳より情報 】
❶ 播種時の圃場条件が悪い中、発芽率40%を確保❷ シードドリル体系の圃場とほとんど生育差は見当たらない
❸ 近年、春先の天候不順が続くので、作期分散が図れる不耕起栽培は魅力的な技術
千葉県佐倉市でWCS用稲を作付けする清宮さんと木内さん。今年度、不耕起汎用ドリルによる乾田直播の試験栽培に取り組んでいます。今回、収穫の約2週間前に当たる7月18日に生育調査を実施。実証圃場の稲は、慣行のシードドリルで播種した圃場と遜色ない生育を示し、実証農家である清宮さんも、「播種を前倒しにすることで、作期分散を図れる技術」として高く評価しておられました。
播種時の悪条件を考えれば、十分な生育。
不耕起栽培は、作期分散が図れる技術
として期待しています。
WCS用稲としては、苗立ちが少し悪かったんですが、日程的に無理をして、土壌の水分が高すぎる条件で播種して、この生育なら十分だと思います。特にムラもなく発芽したので。今の稲姿は、シードドリルで播種した圃場と生育差はほとんどありません。
不耕起栽培は、大豆で、もう何年も前から取り組んでいるので抵抗はないです。不耕起汎用ドリルを使って、稲作もできるのであれば、作期分散が図れてメリットは大きいと思います。不耕起栽培が良いなら何で全作それでやらないんだと言う人が必ずいるんですが、そうではなくて、状況次第で、いろんな手段を自由に使い回せるように、引き出しをいっぱい持って常に出せるということが重要です。近年、天候不順が続いたりとかありますから、そういうことにもすぐ対応できるような体制を取っておかないといけないと考えています。
発芽率は低かったが、ムラがなく均一な生育。
慣行のシードドリル体系と
生育差はありません。
不耕起汎用ドリルの実証圃場は、3月30日に播種して4月20日頃に発芽。1 ヵ月後の5月20日に入水されました。慣行のシードドリル体系では、早い圃場で4月15日、中心は4月20日からの播種ですので、不耕起栽培を組み合わすことで、播種の作業を延ばせ、面積をさらに増やせることが可能です。しかも、条件がよければ、耕起なしで、ひとつ作業を飛ばしてできます。乾籾ならいつでも播けますからね。
WCS用稲として8月上旬の乳熟期にはもう収穫ですが、生育は全然問題ないですね。発芽率は、約40%と悪いといいながらも、均一に発芽しています。その後の水管理で、分げつを促進させて、今の状態に持って来たという感じですね。中干しのタイミングを少し遅くしたということだと思います。