クボタ ソリューションレポート #7
熊本県|
稲|
稲作の省力化・軽労化技術として全国的に広がりを見せる鉄コーティング直播。しかしながら、西南暖地での普及にはまだまだ課題があります。一番の要因はスクミリンゴガイの食害です。クボタでは、そのスクミリンゴガイ対策として、「ツインこまき」による防除技術を提案。今年を「鉄コ普及元年」として位置づけ、西南暖地での鉄コーティング直播の栽培面積拡大に取り組んでいます。
【 耳より情報 】
❶ 「ツインこまき」によるスクミリンゴガイ防除剤の播種同時散布❷ 1台6役の同時作業(播種・施肥・除草剤・スクミリンゴガイ防除剤・殺菌殺虫剤・溝切り)
❸ 直進キープ機能付のGS田植機で初心者でもまっすぐ綺麗な播種作業
6月8日、熊本県八代市で3年前から鉄コーティング直播に取り組む宮本さんをお伺いし、「スクミリンゴガイ対策」について取材しました。
宮本さんの圃場はスクミリンゴガイの密度が高く1、2年目共にスクミリンゴガイの被害を受けています。特に2年目の昨年は発芽が早く、防除剤の散布が間に合わなかったため、大きな被害に遭い結果的に再播種を行っているほどです。今年は、播種と同時に「ツインこまき」による防除剤散布を行うことで、スクミリンゴガイの食害を回避し、発芽した苗を確保したい考えです。
1度で防除剤の散布もできるので、
梅雨時期でも安心して作業できます
鉄コーティング直播は今年で3年目になります。JA熊本経済連とクボタさんから低コスト稲作技術として、鉄コーティング直播の試験栽培をしてくれないかと相談を受け、取り組むことになりました。2年間取り組んで、価値のある技術だと感じますが、やはり課題はスクミリンゴガイですね。
今年は、昨年の経験から防除剤の散布が遅れないように「ツインこまき」を利用し、播種同時に防除剤の散布を行いました。熊本は梅雨時期に入ると大雨が降り、水が多くなるとどうしても防除剤が散布出来ない。水が引くまで待っていると、すでにスクミリンゴガイに食べられています。播種と同時にスクミリンゴガイの防除剤までまけるのであれば、散布遅れのリスクも減り、より手間が省けます。私みたいな兼業農家がかなり増えているので、作業日が限られる中で作業が1回で済むことは、省力化としても期待できます。
今回初めてGS田植機に乗りました
いつも田植機に乗るのは父親で、私は苗運びをしており、今回初めて田植機に乗りました。試乗する前「大丈夫かな?」と不安でしたが、手を離してもきちんと進むのでとても驚きました。あそこまで自動だとは思わなかったです。これだと播種がちゃんと出来ているかどうか確かめることも可能だし、播種した後の見栄えなんかも、素人が乗ると、ぐねぐねと曲がったりするんですが、誰が乗ってもまっすぐに播種が出来ていいですね。
鉄コーティングは注目度の高い技術
「スクミリンゴガイの対策」の確立で
西南暖地での普及を目指す!
今回の宮本さまの圃場は、熊本県とJA熊本経済連、農業団体の展示圃場という位置づけです。農業団体として、低コスト・省力化を図っていく必要があるなかで、低コスト稲作技術として鉄コーティング直播に注目されています。取組みは今年で3年目になり、過去2年、栽培が比較的上手く行った地域です。その結果を受けて、熊本県や農協の農産部の方の関心が高く、積極的に実証に取り組んでいただいています。こういった地域で技術を確立し、他地域の普及に繋げていきたいと考えています。
播種同時の防除は
スクミリンゴガイ対策の
重要なポイントの1つ!
今年は安定的にスクミリンゴガイの防除効果を出すために「ツインこまき」で播種同時に防除剤の散布を行うとこになりました。従来の方法だと防除剤は、播種とは別の日に動噴で散布を行い、重たい動噴を担いで圃場内を回っていました。さらに、適期の防除が難しく、防除剤を散布する前に食害に遭うケースがありました。しかし、ツインこまきを使うことで、播種と同時に防除剤を散布でき、発芽時のスクミリンゴガイによる食害を回避できます。1度の作業で済むので省力化にも繋がります。