クボタ ソリューションレポート #41
スマート農業加速化実証プロジェクト
岡山県|
稲|
中山間地域の集落営農組織は、条件不利圃場を含めた集落の農地を守る役割を担うため、農地集積・規模拡大によって逆に作業効率が低下するという課題を抱えています。また、地域農業者の高齢化や人口減少、価値観の多様化等による担い手不足等、多くの課題があります。岡山県真庭市では、これらの課題を解決するには、スマート農業技術の導入が不可欠と考え、集落営農法人、若手農業者、行政、大学、農機メーカー、農業高校など、産学官が連携してコンソーシアムを組織。国が推進する「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」の採択を受け、今年度からオープンな環境で実証を行っています。
【 耳より情報 】
❶ KSASと連動したスマート農機による水稲一貫体系を導入❷ スマート農機導入効果で若手農業者が新たに参画
❸ 真庭市では無料のバイオ液肥で低コスト化を実現
その一環として、令和元年7月30日に真庭市で現地研修会を開催。研修会は、まず、落合総合センターで室内研修会が行われ、実証プロジェクトの取組みについて説明の後、農研機構農業技術革新工学研究センターの吉田智一氏による講演を受講。その後、農事組合法人寄江原(よりえばら)の実証圃場に移動し、現地研修会が行われました。参加者は、水管理システムや農業用ドローン、ラジコン草刈機など、実証する技術体系についてメーカーや大学からの説明を受け、実演を見学。関心のある機械、技術について熱心に質問する姿が数多く見られました。
スマート農業技術の実証を通じて、新たな中山間地農業に挑戦していきたい!
この地区は典型的な中山間地域です。耕作面積26haの内、組 合が管理している面積は7haです。これ以外に組合員の皆様の 作業を請け負っています。営農課題は組合員の高齢化と低所得のために設備の更新が困難であるということです。若い人にこのような経営を引き渡すことはできません。そのために、元肥に真庭市産のバイオ液肥を散布して低コスト化を実現してきました。様々な職種を歴任した組合員の知恵と労力で、出る費用を抑制するといったことも実施しています。
この課題である後継者不足等にスマート農業実証プロジェクトは大変魅力的です。実証実験に若い人の参加も期待しております。また、KSASの活用で各作物の経験者のノウハウを取り 込みながら、産学官が一緒になった新たな中山間地農業に挑戦していきたいと思います。
この地では、太古の昔、水が寄り、土砂が体積し、農地を作ってきました。これが「寄江原」の地名の由来だと聞いています。今度は、スマート農業を通じて、多くの人々が集い、新たな知識や技術の交流の場として、組合とともに地域農業の火を灯し続けていきたいと思います。