クボタ ソリューションレポート #21
新潟県|
稲|
新潟県村上市の貝沼農場様の圃場で行われたMG-1Kによる除草剤の粒剤散布(6月13日撮影)
【 耳より情報 】
❶ 規模拡大に伴う防除作業の効率化❷ 大区画圃場での防除作業の軽労化
❸ 安定飛行・高精度散布で高い評価を受けるMG-1K
➍ 粒剤散布装置の発売による活用範囲の拡大(MG-1K)
農薬散布の軽労化・効率化のため、農業用ドローンを利用した農薬散布が急速に普及しています。クボタの農業用ドローンMG-1Kも、2017年の発売以来、均一な散布と安定した飛行で高い評価を得ています。そのMG-1Kに、今年の4月より、粒剤散布装置も加わり、待望の除草剤等の粒剤散布が可能になりました。今回は、新潟県で先駆的に農業用ドローンを導入された大規模経営体を取材し、ドローンの評価と経営効果についてお聞きしました。(MG-1Kの評価については、貝沼農場様にはMG-1Kユーザーとして、アドバンファームしばた様はDAX04ユーザーのため、MG-1Kを実演後に感想をお聞きしました)
課題だった夏場の防除をドローンで軽労化
私のように中山間地域で水稲の多品種栽培を行っていると、夏場の防除時期も長期に亘ります。防除はセット動噴を使っていましたが、炎天下での作業はかなりの重労働です。何とか軽労化できないかと思案し、無人ヘリも検討しましたが、1千万円を超える費用に断念しました。そんな中、数年前から各方面でドローンが注目され始め、「これは良さそうだ」と思っていました。その後、情報を集め、新潟クボタから農業用ドローンが発売されたのを機に導入しました。
初心者でも不安なく操作できるMG-1K
昨年は、MG-1Kで水稲と大豆を合わせて約60haを散布しましたが、本当に楽でした。MG-1Kは、1haを約10分程度で撒布でき、1日当たりで最大13~14ha作業できました。セット動噴の場合、2台使用して1日10haほどでしたから作業効率が高いです。操作もそれほど難しいとは思わなかったですね。MG-1Kは機体がとても安定しているからでしょうか。お陰で何の不安も問題もなく作業を終えることができました。
粒剤散布装置を購入し、
春の除草剤散布にドローンを活用
そして今年の春、新たに発売された粒剤散布装置を注文。鉄コーティング直播の播種後や田植え後の初中期除草剤散布はジャンボ剤を中心に使用していましたが、作業効率や除草効果を考えて、今後は、ジャンボ剤を減らし、MG-1Kによる1kg粒剤の散布をに切り替えていきたいと考えています。そうすれば、作業効率もぐんと上がりますし、1kg粒剤を大量購入することで、除草剤コストを下げることもできると思います。
粒剤散布装置を持っていることで、春の除草剤散布、夏場のカメムシ防除を粒剤で散布し、その後に液剤仕様に変えて、いもち病や紋枯病の防除をすれば、年間を通じてMG-1Kを活用することができます。ドローン導入当初は、液剤散布だけしかなかったので、夏場の防除のみを想定して、導入できる経営体の規模は、経営面積が40~50ha以上だと考えていましたが、年間を通じて使用できれば、導入できる経営体は10~20ha規模まで広がってくると思います。
アドバンファームしばた様は、夏場の防除作業の軽労化を目的に昨年TEAD社のDAX04を導入。8月20日、同法人の圃場で、新潟クボタによるMG-1Kの実演が行われた際に、ドローン導入効果とMG-1Kの実演を見た感想をお伺いしました。
従来のラジコン動噴とドローンを
組み合わせて防除作業を効率化
従来、防除はラジコン動噴2台を使って行っていました。大区画圃場は、畦や枕地からの散布だけでなく、ホースを引っ張りながら圃場の中に入って散布していました。早稲の品種を2回、コシヒカリを1回、延べ面積で200ha以上も炎天下で散布するもんですから、それは重労働です。そこで、作業の効率化と軽労化を目的に、昨年ドローンを導入しました。
作業効率を考え、ドローン1台ですべての防除をこなすのではなく、枕地は従来通りラジコン動噴で、それ以外の圃場内をドローンで散布しています。ドローンによって、従業員の負担がかなり軽減されたと思います。
昨年は1年目だったことで、オペレータもまだ操作がぎこちない感じだったので、作業的にもロスがあったのですが、今年は2年目ということで、操作する人もうまくなって、非常に効率よくスムーズに作業が出来たと思います。
ドローン導入で、1ha当たり約30分だった
防除作業を約10分に短縮
ドローンで散布すれば、1ha当たり10分前後で終わります。以前のラジコン動噴だけだと30~40分はかかっていましたから、ドローンを導入したことで、作業時間が大幅に短縮されました。しかもラジコン動噴の場合、ホースを引っ張りながら圃場の真ん中まで入っていかなければならなかったので、それが本当に辛かったんです。しかもずっと散布しながらは歩けないので、真ん中まで歩いていっては一旦止まって散布、場所を変えてまた散布。その繰り返しでした。それがなくなったので、ドローンのお陰で本当に楽になりました。
MG-1Kの安定した飛行には驚きました!
今回、実演を見させていただいたMG-1Kについては、飛行時の安定性と音がDAXと全然違いましたね。機体が安定することで散布精度が向上しますし、オペレータにとってもストレスがなく、疲れが残らないんじゃないでしょうか。音については、DAXは、操作の仕方によっては旋回時にブーンっていう音がけっこう鳴るんですよ。それがあるとバッテリーが減ったかなとか考えてしまうんですが、MG-1Kは、音が一定で静かだったので、モーターやバッテリーに負荷がかからず、きっとバッテリーの持ちもいいのかなと思います。それによって飛行時間も変わってくると思うので、作業効率も高まると思います。