【クボタ ソリューションレポート No.20】天候が不安定な時期でも素早く計画的な作業ができる! 一発耕起播種機トリプルエコロジーで大豆の適期播種 お気に入りに追加
熊本県菊池郡大津町 機械の汎用利用
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クボタ ソリューションレポート #20

熊本県|

大豆|

【クボタ ソリューションレポート No.20】天候が不安定な時期でも素早く計画的な作業ができる! 一発耕起播種機トリプルエコロジーで大豆の適期播種

【クボタ ソリューションレポート No.20】天候が不安定な時期でも素早く計画的な作業ができる! 一発耕起播種機トリプルエコロジーで大豆の適期播種

平成30年度全国農業システム化研究会現地実証調査
水田における土地利用型作物の生産効率向上に関する実証
熊本県 県北広域本部農業普及・振興課

 


 

【 耳より情報 】

❶ 農業機械の汎用利用でコスト低減
❷ トリプルエコロジーは耕起・砕土・播種が一度に可能
❸ 不安定な天候が続いても一発耕起播種機なので、効率よく計画的に作業を進めることが可能

 今年度熊本県では「複数作物に農業機械を汎用利用することによるコストの低減」をテーマに、全国農業システム化研究会の現地実証調査を実施しています。この実証の一環として7月19日に、実証農家であるネットワーク大津株式会社様の圃場で一発耕起播種機トリプルエコロジーによる大豆の播種が行われました。

 また、水稲乾田直播(以下乾直)の生育状況についても関係者の皆様にお話をお伺いしました。乾直の圃場は、播種精度の高さと播種後に行った鎮圧ローラの効果もあり、出芽・苗立ちが良好で生育も順調に推移しています。


実証されたお客様の声

作業効率がよいので、大豆播種の条件の良いときに
素早く作業が行えます

 トリプルエコロジーでの大豆の播種は、率直に「良い」と思いました。うちは受託がかなりあるので、この時期はスピード勝負です。大豆の播種時期は梅雨の終わりに近いので、降雨の心配は常にありますし、逆に今年みたいに早く梅雨が明けると炎天下が続き、出芽に悪影響がでるので、条件が良い時に短期間で作業を行わないといけません。

 通常大豆の播種は、先にロータリで耕起して播種を行いますが、不耕起で播種を行うトリプルエコロジーは、1度に作業が行え、スピードも早く正確に作業ができていたので、経営に取り入れる価値があります。


実証調査担当者の声

トリプルエコロジーは一発耕起播種なので適期に播種が可能!
高品質・高収量が期待できます

 熊本県での大豆栽培は、ネットワーク大津さんのように組織化されており、大型の機械が導入されているところを中心に行われています。熊本県での大豆は、稲の代わりに植える作物として非常に重要で、作期分散や、所得向上に貢献できる作物です。

 「フクユタカ」という品種はこの地域だと7月上旬、中旬が播種適期になります。普段ですと梅雨時期にかぶり、適期を逃すことがありますが今年は逆に梅雨明けが早く、適期に雨の降らない日が続いたため、畑はとても乾いた状態でした。その場合、一度耕起をすると圃場が乾きやすくなってしまい、大豆の生育に必要な水分が確保できなくなります。こういった場面でもトリプルエコロジーは耕起同時播種なので、播種時まで耕起をしなくても作業が行なえ、表面は乾いていても、土壌下の水分は保たれているので大豆の出芽には非常に効果的です。


クボタ技術顧問による解説

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大豆でのトリプルエコロジーの汎用利用について

 今年度、ネットワーク大津株式会社様の圃場で、稲麦大豆体系において、トリプルエコロジーとWRH1200による機械の汎用利用を実証しています。今回行った作業は、トリプルエコロジーを使用した大豆播種です。トリプルエコロジーは、稲と麦に関しては播種機の種子繰り出し部にロール式を用いますが、大豆は目皿式を使用して播種します。前のロータリ部分は同じで、播種方式だけ交換をすることで、大豆にも対応できるようにしています。

 

 大豆の播種は、播種部分そのものは同じ機構になりますが、トリプルエコロジーでは作業工程が異なります。通常の場合は事前にロータリによる耕起・整地を行い、その後にもう一度耕起しながら播種をするという最低でも2工程が必要です。しかしトリプルエコロジーは、前段階の耕起を省略し、播種と同時に耕起をすることができます。耕起・砕土・播種、3つの作業が同時に行えることがトリプルエコロジーの特徴です。トリプルエコロジーには6枚刃のサーフロータリを搭載しているため、不耕起でも作業が行なえます。西南暖地の場合、播種時期が梅雨と重なり、一度耕起してしまうとその後に雨が降ると播種作業がなかなか行えません。不耕起であれば、雨が降っても、耕起した圃場よりは遥かに短期間で播種作業に入ることができるメリットがあります。

 

 また、大豆は排水性が大切な作物です。ネットワーク大津様のような火山灰土壌で排水性の良い圃場ですと、気にする必要はないのですが、もし排水性が悪く大豆栽培がうまくいかない圃場ですと、額縁明きょを施工するなどの排水対策を設ける必要があります。

 さらに、今回は使用していませんが、トリプルエコロジーには排水性を高めるためソイラ先端にチゼルが付いています。通常の土壌条件では、排水性を高めるためソイラを使用して作業していただくことをおすすめします。

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