【クボタ ソリューションレポート No.16】水稲栽培のさらなる規模拡大を模索する方へおすすめ 不耕起汎用ドリルの乾田直播で播種作業時間を短縮! お気に入りに追加
千葉県香取市 乾田直播栽培
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クボタ ソリューションレポート #16

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【クボタ ソリューションレポート No.16】水稲栽培のさらなる規模拡大を模索する方へおすすめ 不耕起汎用ドリルの乾田直播で播種作業時間を短縮!

【クボタ ソリューションレポート No.16】水稲栽培のさらなる規模拡大を模索する方へおすすめ 不耕起汎用ドリルの乾田直播で播種作業時間を短縮!

平成30年度全国農業システム化研究会現地実証調査
乾田直播栽培による省力・低コスト効果の実証
千葉県 香取農業事務所

 


 

【 耳より情報 】

❶ 不耕起汎用ドリルは乾田直播の面積拡大を考えている方におすすめ
❷ 不耕起でも播種が可能で、播種前の作業競合の回避及び作業分散が図りやすい
❸ 作業速度が7 ~ 8km/hrと速く、大区画圃場や大面積に対応した播種が可能

 5月1日、千葉県香取市の大島康司様の圃場で、平成30年度全国農業システム化研究会の現地実証調査として「乾田直播栽培による省力・低コスト効果の実証」がスタート。今回は、条間隔を30cmに改良したグレートプレーンズ社の不耕起汎用ドリルによる播種作業が行われました。
 実証の目的として①乾田直播栽培による省力・低コスト効果、②乾田直播栽培の生育・収量・品質、③移植と直播との適正な作付け比率による経営改善効果の3点について実証調査を行います。

 実証農家の大島康司様は、省力・低コスト化や作業分散を図るため、10年以上前から乾田直播に取り組まれており、乾田直播の栽培面積拡大を視野に入れています。そこで、播種前の耕起が不要で従来のドリルシーダと比べ、さらに省力化が図られる不耕起汎用ドリルに大きな期待を寄せ試験栽培に取り組まれています。


実証されたお客様の声

不耕起汎用ドリルだと播種までの関連作業が短縮できます

 乾田直播は10年以上やっています。スガノ農機の「土を考える会」で話を聞いて、早期播種が可能ということで作業分散のために導入しました。乾田直播は除草との戦いになることがあるので、面積を増やせなかったのですが、その事をクボタに相談すると、効率を考えた不耕起汎用ドリルによる播種やラウンドアップマックスロードとマーシェット乳剤を混合して散布する雑草対策を提案していただき、今回の実証に参画することになりました。
 乾田直播の播種は、これまではドリルシーダを使用していましたが、播種までに、播種床を造成するため、ロータリで何回か耕起しなければなりません。しかし、不耕起汎用ドリルだと数回の耕起が不要で作業が省けるので、削減できた時間を別の作業に当てることができるので良いですね。

規模が大きくなるほど直播技術は必要です

 これからの大規模経営は、最低でも50haから100haの規模を想定する必要があります。経営面積が多くなれば、移植だけでは対応できません。今後の目標として、基盤整備がされている圃場は、すべて直播栽培にしたいと考えています。そのためには、不耕起汎用ドリルのような機械が必要となり、今回この実証が成功すれば乾田直播の面積をさらに増やすことを考えています。


実証調査担当者の声

規模拡大が進む農家の皆様に
省力・低コスト技術を提案していきたい

 年々高齢化が進み、担い手経営体に農地が集まる状況のなか、その解決策として、直播栽培を中心に省力・低コスト稲作の推進を行なっています。規模拡大に伴い、育苗ハウスの増設や、労働力の問題が出てきます。直播栽培は育苗が不要で、複数名で行っていた田植え作業が、1 ~ 2人で行えるので、課題解決につながる良い技術だと感じています。

 今回、直播栽培や密播苗移植、ICTを活用したスマート農業などの普及計画の一環として、システム化研究会による乾田直播栽培の現地実証調査を行なうこととなりました。
 香取市で長年乾田直播に取り組まれている大島様にご協力頂き、グレートプレーンズ社の不耕起汎用ドリルによる乾田直播栽培を行い、省力・低コストの効果や圃場条件・適切な施肥・除草体系等を明らかにする予定です。


クボタ技術顧問による解説

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乾田直播を導入することで農繁期にゆとりができます

 大規模稲作経営において、春作業の分散を図ることが不可欠ですが、様々な栽培様式の選択肢の一つとして、乾田直播があります。乾田直播の良いところは、圃場が乾いている条件さえ整えば4月上旬から播種ができるところです。移植栽培では不可欠な代かき作業等が無くなるので、他の作業にも余裕ができます。

 グレートプレーンズの不耕起汎用ドリルは7 ~ 8km/hrのスピードで播種することが可能で、作業時間が短縮されます。また、本来、この播種機は通常条間19cmの設定ですが、農家さんからの要望が多数あったことから、生育期間の管理も容易となるように日本の水稲栽培に合わせた条間30cmの試作機を、試験的に導入しています。また、グレートプレーンの播種機については不耕起のみならず耕起した圃場にも安定した播種が可能です。複合経営等の大豆、麦、そば、雑穀等多種多様種に対応できることが機械投資も少なくでき、低コストになるという利点もあります。

 

播種後は土壌水分を吸収させ出芽を促進するため、
ケンブリッジローラで鎮圧してください

 乾田直播は、水田に播種をしていますが、播種の段階では畑作物扱いになるといえます。種子予措として、積算温度60℃まで浸種し、吸水させていますが、出芽には、残りの部分の吸水が必要です。乾田直播の場合、基本的には圃場に用水が無いため、種子を発芽させるためには、土壌と密着させて、下から上がってくる土壌水分を吸水させる必要があります。そのためには、種子に水分が順調に供給されるように、播種後、ケンブリッジローラで鎮圧作業を行ってください。また鎮圧をすることで、肥料の流亡も抑えられます。

 今回、播種前の圃場が少し柔らかかったため播種前にはケンブリッジローラで播種床の造成を行いました。そのままの状態では、播種機が沈下することになり、降雨後に水が停滞することで湿害を受けやすくなります。できるだけ圃場を均平に仕上げることになるので、とても重要な作業です。

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