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青森県 北津軽郡中泊町 スマート農業
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クボタ ソリューションレポート #13

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【クボタ ソリューションレポート No.13】RTK-GPS基地局のお披露目に併せて、 自動操舵補助システムのデモンストレーションを実施

【クボタ ソリューションレポート No.13】RTK-GPS基地局のお披露目に併せて、 自動操舵補助システムのデモンストレーションを実施

ICT(情報・通信技術)を活用した農業用機械の実演会
主催:青森県 西北地域県民局地域農林部
協力:株式会社みちのくクボタ 株式会社ニコン・トリンブル
会場:青森県北津軽郡中泊町 十三湖第1 期地区整備ほ場

 


 

【 耳より情報 】

❶ 青森県で初となるRTK-GPS 固定基地局を十三湖地区に設置
❷ RTK-GPSの補正情報を受信するオートステアリングシステムを活用したトラクタ作業のデモンストレーションを実施
❸ RTK-GPSの補正情報が利用可能となることで、高精度な作業が実現可能に

 4月24日、青森県北津軽郡中泊町にて、青森県西北地域県民局主催の「ICT(情報・通信技術)を活用した農業用機械の実演会」がみちのくクボタの協力の下、開催されました。

 現地を含む十三湖地区では現在「県営十三湖地区農地整備事業」として約1,140haの基盤整備が進行中。1区画1ha~1.2haの大区画化を進め、担い手への農地集積、大豆等の栽培面積拡大等を目指しています。昨年度、国の補助事業「県営十三湖地区第1期低コスト農地整備推進実証事業」により、地区内の若宮用排水機場タンク屋上に県内初となるRTK-GPSの固定基地局を整備。基地局から半径5km圏内で測位精度約2cmという高精度な補正情報が得られるようになったことから、今後、自動操舵補助システムによる農作業の精度向上や、省力化が一層進むものと期待されます。

 本格的な運用を前に実施された今回の実演会には、県内各地区の農業関係者、地区内外の担い手農家等、約80名が参加。青森県西北地域県民局、十三湖土地改良区による基盤整備、固定基地局の概要説明の後、みちのくクボタにより、補正情報を受信する自動操舵補助システムを活用したトラクタ作業のデモンストレーション走行が実施されました。

RTK-GPS(Real Time Kinematic GPS)=干渉測位方式。RTK-GPS基地局から送信される補正情報を移動局側で受信することで、測位の制度を向上させるシステムです。GPS単独測位方式の精度が3m程度であるのに対し、RTK-GPSの場合は約2cmの精度で測位が可能となります。


 

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 今回、若宮用排水機場のタンクの上に設置されたRTKGPS基地局は、すでに当地区の区画整備の工事で活用されており、cm単位の正確さで高精度の均平工事を行っております。今後はトラクタ等の農業機械に応用し、高精度な均平作業や播種作業等、皆様の営農に活用していただけると聞いております。この基地局整備は、青森県における農業のICT化の入口です。ここからさらに、高精度、省力化、軽労化を実現し、高品質な生産を目指す、スマート農業へと進化していくものと考えております。農業のICT化と言っても分かりにくい部分があるかと思いますが、実演会をご覧いただくことで、理解を進めていただけるかと思います。青森県の未来の農業のはじまりが、ここ十三湖地区にあることを実感していただき、ぜひ、今後の取組の参考にしてください。


 

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 十三湖地区では、今後7年あまりかけて約1,140haの圃場整備が実施されて行きます。それに伴い、生産者の皆様がもっと省力化できるようなシステムを導入しなくてはならないということでICTに目をつけ、県営事業、国の補助事業としてご協力いただいて、今日、こういうかたちでの実演会にまで至りました。土地改良区としても、せっかく良い基盤をつくった以上はそれに見合った機械等を導入し、省力を図りながら未来に向けた農業をつくっていきたいと考えています。本日は、皆様そういう点をお考えいただきながら、ご覧いただければと思います。みちのくクボタ様には基地局の設置、そして本日の実演会について、ご尽力いただきました。こうして今日、実際に見ることで、来場いただいた担い手の皆様も、自分たちに身近なことなんだという意識を持っていただきたく思います。

 地区内の若宮排水機場の屋上に設置されたRTK-GPS基地局。
 右側のドーム型のアンテナがGPSからの信号を受信する受信機、中央は避雷針。左側の細いアンテナは補正情報を計算して移動局(トラクタ)に送信する送信機。
 今回、基地局設置を受注したみちのくクボタは、一昨年、岩手県花巻市でのGPS基地局のアンテナ設置の実績がある。


 

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  RTK-GPS基地局設置のお披露目も兼ねた本日の実演会には、自動操舵補助システムを装着した3台のパワクロトラクタを用意しました。

 

 48馬力のスラッガーに装着している自動操舵補助システムは、後進作業や0.1km/hの超低速作業にも対応可能で、十和田地区では、トレンチャーでの長芋の堀取りにこのシステムを活用しています。オペレータによるハンドル操作よりもトラクタの左右のブレが少なくなり、長芋の損傷が少ないため、お客様から高く評価されています。

 

 97馬力のレクシアには、ニコン・トリンブルの自動操舵補助システムとマスカーのドリルシーダーを装着しています。大豆の作業では、隣接、条合わせ等、トラクタを走行させるのに集中を要する作業が多く、熟練のオペレータの方でもとても疲れるというお話をよくお聞きします。自動操舵補助システムの導入は、高精度な作業の実現のみならず、そういった部分の軽労化にも役立ちます。

 

 135馬力のグローブには、ニコン・トリンブルの自動操舵補助システムとGPSレベラーを装着しています。通常のレーザーレベラーはレーザーで均平を取りますが、GPSレベラーはRTK-GPS基地局からの補正情報を活用して均平を取ります。

 

 基地局が整備された当地区では、こういったシステムを導入いただくことで、どんどん高精度な作業ができるようになり、担い手の皆様の課題である効率化、軽労化の解決につながっていきます。本日ご覧いただいたトラクタ、そして田植機等の作業にとどまらず、将来的には無人トラクタによる作業や、防除等、さらなるスマート農業の実現に向けた進化も期待されています。


 

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GPS レベラー等のシステムは、やはり必要なものです

 現在レーザーレベラーを使っていますが、天気が良いと1~ 2km先のレベラー作業のレーザーが干渉し、こちらの作業に支障をきたすことがあります。GPSレベラーが使えるようになれば干渉もなく、安心して作業できると思いますね。精密さもですけど、干渉せずに高度な作業ができる。絶対これからはこういうシステムが必要だと思います。

 

大豆の作業も、疲れず、高精度にできそうです

 大豆の作業でも、播種、中耕・培土...。連続で作業をしているとオペレーターはとても疲れるんです。このシステムを活用して精密な作業が楽になればと思います。今年は10haぐらい大豆を栽培する予定ですが、多くの面積の中耕・培土を自分でやるっていうのも、年齢的になかなか...。何cm っていう誤差を気にしながら直進作業するわけですから、自動操舵補助システムがセッティングされた状態でラクにできれば、それこそ疲れないし、精度も上がる。経験の浅い若手のオペレーターにも作業をしてもらおうと思っています。

 

農業のICT 化が当たり前の時代になるんだと実感できました

 労働力の問題として、現実的にベテランのオペレーターがどんどん少なくなっていますが、こういう高度なシステム・機械を活用すれば、作業の効率アップができるんじゃないかと思います。将来的に、無人トラクタなども使えるようになって、一人で2台、3台、動かせるっていうことにもなれば、それはもう画期的なことだと思います。そういうことも今日、イメージできましたね。


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