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直播による低コスト・高品質稲発酵粗飼料生産の実証(山形県・平成21年度)

直播による低コスト・高品質稲発酵粗飼料生産の実証(山形県・平成21年度)

豪雪寒冷地帯である山形県尾花沢市で、飼料イネの直播栽培による省力・低コスト効果、直播機械の作業効率とイネの生育(収量)、細断型ホールクロップ収穫機の作業効率と発酵品質の優位性を検討した実証事例をご紹介します。

 


 

背景およびねらい

◆背景
 平成20年度の本県の飼料イネ作付け面積は約300haであるが、尾花沢市内での取組は少なく5ha程度である。黒毛和種肥育牛への給与や肉用牛繁殖経営の規模拡大計画が進展しており、肉用牛へのイネ発酵粗飼料の需要は今後高まるものと予測される。生産費の低減と調製技術の高度化を当地域で実証し、耕畜連携した低コスト高品質な稲発酵粗飼料の生産供給システムを普及する。

◆目標
 豪雪寒冷地帯である当地域で、飼料イネの直播栽培による省力・低コスト効果、直播機械の作業効率とイネの生育(収量)、細断型ホールクロップ収穫機の作業効率と発酵品質の優位性を検討する。

結果の概要および考察

1.当地域の水温が比較的低いことから、播種から出芽まで10日ほど要した。出芽率は75%、苗立ちは112本/㎡であった。防鳥糸を設置したものの、覆土されない部分等一部で鳥害が見られた。

2.収穫時まで倒伏といもち病の発生がなかったが、施肥水準が低いため収量は1,590kg/10a(坪刈り収量)で、目標より低い結果となった。また、β-カロテン含量は乾燥稲わら並に低下した。

3.調製した稲発酵粗飼料(以下WCSと略記)は、色沢、香り、触感に優れ(官能評価)、V-スコア法による評価は100点(発酵品質)、推定可消化養分総量は60.1%(乾物中)と高く(栄養評価)、肥育牛の嗜好性も極めて高いものに仕上がった。

4.直播によるWCSの単位面積当たりの生産費は61,478円/10aで、移植栽培の72,173円/10aよりも低減された。一方、直播での収量が低水準であったことから、単位重量当たりでみると直播が38.7円/kg、移植が30.5円/kgで、8.2円/kg高い結果になった。

今後の課題・展望

1.低コストで多収を目指した施肥体系を検討し確立する。

2.WCSの長期保存性を実証し、通年給餌を図る。

3.管内肉用牛農家に対するWCS給餌の普及拡大する。


もっと詳しく!今回ご紹介した記事の全文はこちら
http://www.jeinou.com/2010/09/post_9.html/
(みんなの農業広場の該当記事へリンクします)

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