スマート農業技術を活かして、労働力分散と野菜の斉一化を目指す お気に入りに追加
岩手県岩手郡岩手町 株式会社アンドファーム
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スマート農業実証プロジェクト 現地レポート

スマート農業加速化実証プロジェクト

岩手県|

キャベツ|ながいも|とうもろこし|だいこん|

スマート農業技術を活かして、労働力分散と野菜の斉一化を目指す

スマート農業技術を活かして、労働力分散と野菜の斉一化を目指す

岩手県の北部は、キャベツを中心とした土地利用型野菜の一大産地で、近年、大規模経営体が増加しています。土地利用型野菜は機械化が進んでいるものの、機械を使いこなす熟練オペレータや収穫作業の労働力を確保することが困難で、このことが規模拡大を阻む主な要因になっています。2019年3月、株式会社アンドファーム様は、岩手県からの呼びかけで「スマート農業加速化実証プロジェクト」に実証農場として「アンドファームスマート農業コンソーシアム」へ参画。2年にわたりスマート農業技術を使った作業の軽労化や効率化の実証に取り組んでいます。
 

 


 

6月3日、この日は実証の一環として、モニタリング用マルチロータを使った3Dマッピングの作成が行われました。ほ場の起伏や凹凸を正確に反映した3Dマップは、今後の肥培管理に活用されます。また、防除作業の効率化を見据え、みちのくクボタによる新型農業用ドローンT20Kの提案も合わせて行われました。

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若いスタッフでも熟練者と同じように
正確で丁寧な仕事が可能になるそれがスマート農業です

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2016年3月に株式会社アンドファームとして法人を設立して以来、徐々に規模を拡大してきました。面積を増やすと仕事が雑になりがちですが、あくまで仕事は丁寧にしたい。大量に収穫する野菜の一つをお客様にお買い上げいただくのですから。そのためには、記録を残し、反省し、次の年にはそれをもとに計画を立てる、さらにはその情報をスタッフ全員で共有していくことが大事です。これを容易にしてくれるのがスマート農業技術です。
もう一つスマート農業に期待するのは、効率化です。若いスタッフも正確で丁寧な作業ができて、就業時間内に作業が終わり、家族との団らんの時間が十分にとれるようなスケジューリング。たとえ繁忙期でも、定時に終われるような組み立てがしたいという思いで取り組んでいます。 社名のアンドファームは、英語の「AND」の「つなぐ」「結ぶ」という意味からきています。お客様と「つなぐ」、そして持続可能な農業を次の世代へ「つなぐ」という希望を込めて、今後さらに力を尽くしてまいります。

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KSASで作業の進捗状況を「見える化」
自動操舵とともに作業の効率化に大きく寄与します

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スマート農業技術のひとつ、KSASの利点は「いつ・どこで・誰が・何を・どの程度」したのかという仕事の進捗状況が一目でわかるところです。以前は「定植日報」や「収穫日報」、「防除日報」などをスタッフが持ち歩いていたので、すぐには見ることができなかったのですが、KSASならタブレットやパソコンでいつでも閲覧できて便利です。作業を「見える化」することによって、スタッフ全員の目標が一点に定まり、それに向かって足並みを揃え、効率的な作業が行えると実感しています。
自動操舵システムは、ながいも・キャベツ・とうもろこし・だいこんのうね立てやマルチ張り、施肥などに活用しています。うね立ては0.2~0.3㎞/hで進むので非常に難しい作業ですが、自動操舵システムを使うと経験の浅いスタッフでも正確に行えるので、熟練オペレータは他の仕事に取りかかれ、作業の効率アップにつながっています。
「速い」「正確」な作業ができるのならラクをしてもいいというのが私の考えです。ラクをしていかに従来比1.2倍の仕事をこなすか。これを叶えてくれるのがスマート農業です。スマート農業を導入することで、子供たちや農業を目指す若い人たちに、良いイメージを与えられるよう挑戦していきたいと思います。

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スマート農業技術による労働力の改善と、
高精度な施肥による野菜の斉一性・反収向上を実証します

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この地域は、キャベツを中心とする野菜の大産地で、近年、経営の大規模化が進んでいます。株式会社アンドファームさんでも規模拡大や品目の増加を目標にしていますが、その際問題になるのが「労働力」。短期間で労働の質を向上させることは難しく、熟練したオペレータの技術が確保できていないのが現状です。そこで、スマート農業を活用して、「熟練の技術を非熟練者が踏襲する」ことを目指しました。さらに、スマート農業技術による精度の高いうね立て・施肥によって野菜の斉一性を図り、反収の向上をねらっています。昨年の実証では、効果を実感することができました。この取組みには、大いに手ごたえを感じています。

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スマート農業での作業分散が図れれば規模拡大が可能になります

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「スマート農業実証プロジェクト」に取り組むにあたり、最初に提案したのは自動操舵システムを使った傾斜地でのうね立て作業でした。経験を積んだオペレータでなければできなかった作業が若手スタッフにもできることから、労働力の分散ができ、「規模を拡大したい」というアンドファームの三浦社長の希望と合致したのです。また、今回実演しました新製品の大型農業用ドローンT20Kについては、野菜の場合登録薬剤が少なく時期尚早かと思いましたが、今後、登録薬剤が増え、ドローンを活用した薬剤散布が一般的になることを見越して提案しました。 このプロジェクトで得た知識や情報を、近隣のお客様に伝えていくのが今後の使命だと考えていますので、成功に導けるよう努力いたします。

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