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クボタ ソリューションレポート #30

宮崎県都城市 子実用 トウモロコシ栽培

〜【クボタ ソリューションレポート No.30】飼料の自家生産で自給率アップ! 子実トウモロコシに取り組む大規模養豚牧場〜

【クボタ ソリューションレポート No.30】飼料の自家生産で自給率アップ! 子実トウモロコシに取り組む大規模養豚牧場

日本国内で畜産における国産の飼料自給率は飼料全体で27%となっており、飼料の多くは輸入に頼っている現状です。このような状況下で、為替レートや海外からの輸送費の変動、輸出元の生産状況など様々な理由で、飼料原料価格の急激な高騰、不安定な供給などの問題が起こる可能性があるため、国では令和6年までに飼料全体の自給率を40%まで向上させる取組みが行われています。

 宮崎県都城市にある、株式会社はざま牧場様は繁殖から出荷まで一貫生産する国内でもトップクラスの規模をもつ養豚牧場です。はざま牧場様では、自給率向上や国内産の飼料を与えたブランド豚の販売等を目的に、今年度から子実トウモロコシの生産を自社で行います。初年度となる今年は、4月3日に60aの播種を行いました。
 今回は播種風景や、はざま牧場様の子実トウモロコシに取り組む動機について、レポートします。

【 耳より情報 】

❶ 輸入に頼らない子実トウモロコシの生産で自給率アップ
❷ 国産の飼料でブランド化を図る
❸ 耕畜連携で農地保全を行うことが可能

生産者の声

東京オリンピックを機に国産の飼料にこだわった
プレミアムな豚肉を作りたい

 うちは、養豚を主軸に経営しています。また、契約栽培により仕入れた野菜の販売や堆肥の製造販売、直売所の運営を積極的に行っています。とうもろこし、大豆粕、きなこ 等を使ったオリジナルの配合飼料を給餌したブランド豚肉の「きなこ豚」は商標登録を行っており、宮崎のブランド豚として販売を行っております。

 子実トウモロコシはアメリカに留学していた頃や、ヨーロッパへ養豚場の視察に訪れた際に、トウモロコシの自家栽培を行い、飼料として使用している農場をみて、日本でもそういった取組みができないかと前々から考えていました。
 現在、濃厚飼料の中心となる雑穀のほとんどを輸入に頼っておりますが、東京オリンピックが始まるタイミングで輸出等のことを考え、全量海外依存ではなく国産原料での飼料を与えた豚肉に付加価値を付けたいと九州農政局の方に相談してみたところ、国内でも事例があるということで、今回の取組みがはじまりました。

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地域の農地存続に一役買いたい

 私達の地域でも人口減少に伴い農家の高齢化が問題となっています。南九州の圃場は1枚1枚が小さく、国土保全など農地をどう守っていくかを考えなければいけません。大きなテーマとして飼料の自家生産を通じて農地の集約を行い、一枚の圃場の面積を大きくして後継者に農地を譲り、農地を守っていきたいという願いもあります。当社で使用している餌のなかでトウモロコシを全量作付けしようと思ったら概算で4000ha必要になります。ですので全量は難しいですが、いつか10%でも自給できるようになればいいですね。

生産者の声

子実トウモロコシは
普段している作業と変わらないです

 昔からの農家同士の付き合いもあって、はざま牧場さんから今回はじめて作業委託をお願いされました。
 普段の経営の中で、粗飼料としてのサイレージ用のトウモロコシの栽培は行っておりますが、子実トウモロコシの栽培は初めてです。作業としては、普段のトウモロコシの播種と変わらずに作業を行いまいした。子実トウモロコシということで実が大きくなるように、播種前には土壌改良に堆肥やスラリーを多めに入れています。うちは酪農なのではざま牧場さんとは分野が変わってきますが、養豚の場合は食べる量が少ないので、子実トウモロコシでも十分にやっていけると思います。

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クボタ技術顧問による解説

子実用トウモロコシを
水田での輪作作物の一つに

 国内での濃厚飼料の生産を高めたいという国の施策もあり、水田での新たな輪作作物として、子実用トウモロコシの生産が北海道を中心に増えています。クボタでは子実用トウモコロシの機械化一貫体系に欠かせない普通型コンバインWRH1200に装備できるコーンキットを実用化し、これを支援しています。これまで稲、麦、大豆の輪作体系を中心に経営を行ってきた担い手農家の皆さんにさらに農地が集中することになれば、作物の適切な管理が難しくなり経営にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。手間のかからない子実用トウモコロシを輪作体系に導入すれば、より広い農地を管理できるというメリットがあります。また、有機物を適切に還元せず水田で畑作物を栽培していると地力が低下しますが、子実用トウモロコシは多量の茎葉を圃場に残すため、水田土壌の地力維持にも貢献できます。このようなことから、子実用トウモロコシは担い手の皆さんのニーズに応えてくれる新たな土地利用型作物として注目して欲しい作物です。

飼料と堆肥を地域内で循環させ、
耕畜連携を確立してほしい

 耕種農家の皆様がトウモロコシを生産した場合、売り先の確保が非常に大切となります。収穫物を地域内の畜産農家に買っていただけるのであれば、連携が取りやすく輸送コストもかかりません。また、畜産農家から堆肥を還元してもらえれば、地域内で耕畜連携を進めることができます。今回の取組みははざま牧場様単独ですが、必要量が増えてくると地域の耕種農家の皆様と連携をとって耕畜連携を図っていただければ素晴らしいと思います。

作業内容

 【播種】
  ●高速精密播種機ジェットシーダで10a当たり7000粒を目標にスピードおよそ6~8kmで播種
  ●播種間隔は18cm

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 【鎮圧】
  ●十分に鎮圧すると子実トウモロコシの発芽率もよく、生育も順調になります
  ●土壌水分を均一に保持し、処理剤の効果を高める
  ●圃場の地耐力を高めた土中に根を張らせることで倒伏防止を図る効果が期待できる

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今後の作業で使う機械

 【収穫】
  ●普通型コンバインWRH1200にコーンキットを装着して子実の収穫を行う

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