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クボタ ソリューションレポート #14

鹿児島県鹿島市 マルチローター

〜【クボタ ソリューションレポート No.14】普及が進むマルチローターによる散布 予備試験で赤カビ病防除にも手応え〜

【クボタ ソリューションレポート No.14】普及が進むマルチローターによる散布 予備試験で赤カビ病防除にも手応え

平成30 年度全国農業システム化研究会
「マルチローターによる薬剤散布に関する実証調査」
鹿児島県 農業開発総合センター大隅支場

【 耳より情報 】

❶ 昨年に引き続きマルチローターによる散布精度と防除効果を実証
❷ 適期防除や品質向上の観点から今後畑作物への利用拡大が見込まれる
❸ 今年度から、液剤に加え、粒剤の防除体系も実証予定
➍ 麦による予備試験のデータは赤カビ病対策にも活用される

 4月10日~ 11日の2日間、鹿児島県農業開発総合センター大隅支場で、平成30年度全国農業システム化研究会における現地実証調査の一環として、「マルチローターによる薬剤散布に関する実証調査」の予備試験が行われました。
 今回の試験は、クボタ農業用マルチローターMG-1Kを使用し、二条大麦を稲に見立てて散布試験を実施。感水紙への付着程度を調査することで、無人ヘリとマルチローターの散布精度を比較しました。このデータを基に8月に予定されている稲への本試験に向けて最適な散布条件を検討します。また、今回の麦への散布試験の結果から子実に感染する赤カビ病に対して、マルチローターによる防除は、十分効果が期待できると考察されました。

(取材・撮影日:4月9日・10日)

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小麦の赤カビ病は、開花期から乳熟期までの約20日間が防除適期

 赤カビ病は、子実に感染する糸状菌、カビの病気です。この赤カビ病が発病するとカビ毒を蓄積します。これが人畜に対して有害であることから防除が重要になってきます。農産物の検査では混入してはならない(0.0%)となっていますので、混入しますと規格外になるほど厳しい管理となっています。小麦ですと出穂してから1週間から約10日くらいで、開花が始まりますが、開花期から乳熟期までの約20日間くらいが感染しやすい時期になります。したがってこの時期に防除をするということになります。赤カビ病は、雨が多くて湿度が高い、温度も20度以上という条件で発生します。出穂後の天候が非常に恵まれて乾燥していれば、発病はかなり抑えられます。重大な病害ですので防除は徹底して行うというのが一般的になっています。

予備試験を見て、子実に感染する赤カビ病への効果を確信

 マルチローターを麦に使用する場合、赤カビ病の防除が中心になるかと思います。この防除は穂に薬剤を散布するわけですから、例えば水稲の株元に生息するウンカの防除のように、強いダウンウォッシュを必要としません。今回の予備試験を見て、赤カビ病に対しては、マルチローターによる防除でも十分な効果が期待できると思います。しかもこれまで平場の大区画圃場が中心だったラジコンヘリに比べて、マルチローターは非常に機動性があります。この点もメリットのひとつだと思います。また、先ほど述べましたように、赤カビ病が発生しやすい条件というのは、雨が多い年です。降雨後の地盤が軟らかい状態ですと、ブームスプレーヤでは圃場に入っていけません。その点、マルチローターなら、雨が止んで条件が整えばすぐ防除できます。
 これからの農薬散布は、少量高濃度散布が課題となってくると考えています。そのためも、マルチローターの適切なノズルの選択や散布の高さなどを含めて、これから実証していくことが必要です。そうすることでより使いやすくなっていくと思います。




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昨年に引き続き、マルチローターによる散布精度と防除効果の実証

 今回、4月のこの時期に、麦を水稲に見立てて水稲の防除の予備的な試験を実施しました。麦を水稲と同じ条間30㎝に設定し、その中で3段階の高さで感水紙を設置して、散布した水の広がり方や株元への到達程度を調査しました。今回の得られたデータを検討し、一番良いデータを基に水稲で試験できればと考えています。本試験は8月の出穂時期になるかと思いますが、昨年度と少し違うのは、液剤に加えて、今年度から粒剤散布ができるということで、粒剤を活用した体系との比較についても検討していければと考えています。

水田作物の防除に加え、畑作物への利用が期待できる

 マルチローターは、集落営農組織や大規模な農業生産法人等で、無人ヘリでは少し規模が足りないという方々を対象に普及を図っていきたいと思っています。無人ヘリの場合は、防除作業を委託されることが多いので、防除適期にうまく回ってこないということがありますけど、マルチローターの場合は、無人ヘリに比べて導入コストも安いので、そういう方々が導入することで、適期防除も可能になるんじゃないかと考えています。
 マルチローターの利用は、水田地帯でいうと水稲と麦と大豆ということが考えられますけど、畑作に関しましては、これからの農薬の登録の取得状況にもよりますが、この大隅半島であれば、ばれいしょ、かんしょといったものを対象に、いろんな品目に使用できる思います。

降雨直後でも防除が可能で、しかも作物を傷つけないマルチローター

 マルチローターのメリットは、例えば、ばれいしょですと定期的な防除が必要になるんですが、ブームスプレーヤでは難しかった降雨直後でも防除が可能です。また、無人ヘリとの比較で言いますと、無人ヘリはダウンウォッシュが強く、茎葉に損傷が見られることがありますが、マルチローターの方が無人ヘリよりダウンウオッシュが弱いので、茎葉の損傷が少なく、今後の利用が見込まれると考えています。
 普及が進めば、私たちが想像していない使われ方が現場ではもっとあるのかなと思います。そういう意味でも、できる限り、現場の方の声を取り入れながら、これからも試験を行っていければと思います。

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