大規模経営を実現!ICTを活用した低コスト農業の展開
稲|
本システムにより、農研機構の実証圃場では、水管理にかかる労働時間を約80%削減し、出穂期から収穫までの用水量を約50%削減できました。今後、ユーザーの要望を取り入れて、改良等を加えたのち本格発売を予定しております。
(この記事は、平成30年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.36』を元に構成しています)
WATARAS製品サイトは こちら
政府は、大規模経営体への農地集約を全農地面積の8割に増加させ、さらにコメ生産コストを4割削減する目標を掲げています。その中で、水稲栽培において、労働時間の約3割を占める水管理は、規模拡大が進む大規模経営体にとって大きな労働負担となっています。この課題に対し、農研機構農村工学研究部門が中心となり、SIP※次世代農林水産業創造技術において、スマートフォンやパソコンでモニタリングしながら遠隔操作や自動で給水と排水を制御できる国内初の水田の圃場水管理システムWATARAS(ワタラス)を開発しました。
このシステムを利用することで、ユーザーはどこにいても耕作する水田の水位や水温などのデータを常時確認することができ、予め設定した水位に応じて自動で水管理をすることが可能です。本システムにより、農研機構の実証圃場では、水管理にかかる労働時間を約80%削減し、出穂期から収穫までの用水量を約50%削減できました。今後、ユーザーの要望を取り入れて、改良等を加えたのち本格発売を予定しております。
※SIP:戦略的イノベーション創造プログラム(Cross-inisterial Strategic Innovation Promotion Program)の略称で、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が主導して行っている科学技術イノベーション創出のための国家プロジェクトです。
圃場水管理システムWATARASの概要
水田の給水バルブと給水口にインターネット通信機能とセンシング機能を付加した制御装置を追加することで、給水バルブと排水口を遠隔及び自動で制御できるシステムです。これにより、日々の水まわりや給排水操作がなくなるため、水管理労力の軽減に貢献します。
特長
①水管理の自動化で農作業を軽減
●水位センサで圃場の水位を遠隔監視できます
●圃場の水位が低い時は遠隔操作で給水し、大雨などで排水が必要なときも遠隔操作で排水できます
●多数圃場の水位監視と給排水を遠隔操作で行い水管理の手間を
軽減します
②既存のバルブや用水路が使用可能
●設置済みのバルブを利用して給水装置・排水装置を設置することができます(現場の状況やバルブによっては交換が必要な場合があります)
WATARAS製品サイトはこちらをご覧ください ⇒ https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/wataras/