高温環境下での栽培は、植物の生長が阻害され、品質や収量が低下します。
また、作業者の熱中症リスクも高まります。農作物と人を守るため、暑熱対策はとても重要です。
効果的な対策は次の2つです。
1.換気扇による強制排気
外気を取り込みながら空気を循環することで温度と湿度を均一化
2.遮光によるハウス内部の温度上昇の抑制
暑さへの対応は、作型の変更、高温耐性品種を使うなど様々な方法がありますが、ハウス栽培では設備導入で環境を調整しやすくなります。
今回はクボタのおすすめ暑熱対策製品をご紹介します。
目次
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換気扇「空動扇solar」
風力と太陽光を利用した無電源換気扇
無風時でもハウス内を換気し、温度と湿度を自動調整。太陽光エネルギーでファンの回転をサポートします。
設定温度を超えると自動で弁が開き、温まった空気を外部へ放出。温度が戻るとまた自動で弁が閉じるしくみです。
ポイント
・気圧調整や風の抜け道により、自然災害からハウスを守ります。
・停電時でも太陽光エネルギーで動くので、台風後に起こりやすい高温多湿化を軽減します。
お客様の声
・見回り時間が短縮できて、心と体に余裕が生まれた。
・外気温が35℃を超えると何をやっても同じに感じるけど、有ると無いでは全然違う。換気ムラによる高温障害を軽減でき、作業負担も軽減した。
外気導入「アウトサイダー」
100V電源で動作する簡易外気導入システム
外気をハウス内に導入して室内の暑い空気を外に押し出すことで、ハウス内の気温や湿度を下げます。空気の流れによって植物の蒸散が促され、さらなる温度低下が期待できます。CO2の供給効果もあります。
「上がってしまった温度を下げる」アウトサイダーは、「温度上昇を防ぐ」塗布剤との併用がオススメです。
ポイント
・100V電源を入れるだけ。移動も簡単です。
・外箱は防虫対策として使用します。
・冬期は吸気口をハウス内に置いて、循環扇として利用することも可能です。
細霧冷房「ドライフォグシステム」
濡れない超微粒子の霧で環境改善
5.0MPaの水圧とフォグノズルより超微粒子の霧を均等散布。平均粒子サイズは10~25μmととても細かく、周囲を濡らすことはありません。
噴霧水量が同じでも、ドライフォグの粒子サイズは小さいため表面積が大きく、暖かい空気との接触機会が多いので効率よく周囲の熱を奪い、冷却効果は抜群。
飽差制御をすることで収量アップにもつながります。
ポイント
・高圧水により広い空間の散布が可能です。
・制御盤による自動運転(24時間タイマー、間欠運転)を実施。
・各種センサー(温度、湿度、飽差)で制御します。
●お客様の声
・となりのハウスよりも涼しくて、加湿中でも濡れません。
・設定通りの飽差制御をキープできています。
・操作盤の設定が簡単!
遮熱ネット「青天張」
高温期の葉焼けや裂果を防ぐ高機能遮熱ネット
作物の光合成を促進する波長領域(400~700nm)の透過率を維持しながら、その領域外の赤外放射は遮蔽。作物の生長を維持しながら熱線による高温障害(葉焼けや裂果)から作物を守ります。
熱線遮断材は金属粉を糸に練り込んでいるので、遮熱効果は長期間持続可能です。
ポイント
・透過率(緯糸密度・緯糸種の違いによる組み合わせ)のバリエーションが多数あり、作物や生産地域に合わせて選べます。
●お客様の声
・調査日は曇天だったけれど、明らかに温度は外気と比べて低く抑えられていました。(トマト)
・マルハナバチ、ミツバチ共に問題なく活動できている。ハウス内の明るさも良く、収量はアップしています。(イチゴ)
ヒートポンプ空調「ぐっぴーバズーカ」
ハウス栽培向けのヒートポンプ空調
暖房、冷房、送風と1台3役でハウス内を適温管理できます。空調のCOPが高く、省エネ。
ぐっぴーバズーカから出る風は直進性があり、大風量でハウス内の温度ムラが出にくくなります。冬季は、マイルドな温風により生育が促進されます。
ポイント
・水や直射日光に強く耐久性に優れ、メンテナンスも楽。(水洗いOK!)
・1℃単位の細やかな温度設定(冷房、暖房)が可能です。
・梅雨や秋の長雨時には除湿、夏季には夜冷で、湿度を下げて病気の発生を予防。
●お客様の声
・大風量で、風が遠くまで届くところが良い。
<番外編>潅水施肥システム「ゼロアグリ」
「高収量・高品質・省力化」に貢献する自動潅水装置
作物の状態に合わせた潅水量を考えるところから行い、人の手では難しい高精度な水やりを実現するゼロアグリ。
ゼロアグリには、一定の温度を超えたら猛暑とみなし、制御液肥の濃度調整を自動で行う「猛暑日対策制御機能」があります。
高温時…低濃度で作物が培養液を吸収しやすい状態をつくる
温度が低下する夕方など…濃度を上げ不足分を補う
この機能により、高温環境下でも作物がバテずに養分吸収が促進されることが期待されます。
まとめ
さまざまな暑熱対策製品をご紹介しましたが、気になる製品はありましたでしょうか。
安定した収量や品質の確保のためには、猛暑日や異常気象など近年の環境変化に対応する必要があります。暑熱対策の必要性を感じている方も、まだあまり感じられていない方も、今一度ハウス環境を見直し、より快適な環境にするためには何が必要かを考えてみていただければと思います。
問い合わせ:https://lp-ag.kubota.co.jp/horticulture-inquiry.html




