近年、水稲生育期間における高温化傾向が顕著になっています。今年も全国各地で猛暑となっており、高温障害が危惧されます。
高温条件や水不足の状態で登熟した場合には、白未熟粒(シラタ)による品質低下が懸念されます
従来は、白未熟粒(シラタ)の中でも籾数過剰による乳心白粒の発生が問題となっていましたが、最近では登熟期の高温によって背白粒や基部未熟粒が多発しています。これらは、後期栄養不足によって助長されます。
色彩選別機を活用して一等米を目指しましょう
高温登熟条件下では、白未熟粒(シラタ)や着色粒が多発生しやすく、品質が低下します。
そこで、安定した品質の整粒歩合70%以上の一等米を提供することが重要です。色彩選別機は、被害米・着色粒の検出ができます。
● 前・後2台のカメラ(反射カメラ)で常に、カメムシ斑点米、ヤケなどの着色粒を検出。さらに3台目のカメラ(透過カメラ)で乳白(シラタ)などの未熟粒を検出するので、着色粒の選別精度を落とすことなく1回でヤケ・シラタが同時に選別できます。
● ヤケ・シラタの選別モードの切替えがないシンプルな操作で、作業効率もアップします。
次年度以降に向けた猛暑・水不足対策
ポイント
根域確保による生産の安定化
品質・食味を低下させず生産の安定化を図るためには、耕深15㎝を確保し、稲に必要な水分や養分をバランスよく供給することが重要です。また、根域が広がり、根量が増えることで、猛暑、水不足にも効果があります。
生産の安定化のための土づくり
高温登熟下での品質・収量の高位安定化を確保するためには、耕深15㎝の確保とともに有機物・土壌改良資剤の施用による土づくりが効果的です。
あぜ塗りによる漏水防止
あぜ塗りを確実に行い、丈夫で水漏れしないあぜづくりをすることで、猛暑・水不足が続いても被害が発生する心配は小さくなります。