岩手県花巻市の「いわてワインヒルズ推進プロジェクト」に協力し、ぶどう栽培で地域の農業と活性化に貢献している「MKファームこぶし」。
MKファームこぶしの菊池社長と堰根栽培長に、地域の現状や先進的な取り組み、将来の目標についてインタビューしました。
(この記事は、2021年1月発行のクボタふれあいクラブ情報誌「ふれあい」42号を元に構成しています。 )
クボタならではのノウハウで花巻のワイン産業を活性化!
冷涼な気候で雨が少なく、豊富な石灰質に恵まれた土壌を持つ岩手県では、50年以上前からワイン造りが盛んで、近年「いわてワインヒルズ推進プロジェクト」によりワイナリー拡大の動きが活発になっています。中でもワイン産地の一つである花巻市では、「花巻クラフトワイン・シードル特区」の認定を設け、ワイナリー設立をサポート。しかし一方で、農家の高齢化や担い手不足のため、原料であるぶどうの生産量は減少し続けています。そこで、クボタの製品や土づくりなどのノウハウを活かした地元特産のワイン造りが、MKファームこぶしで始まりました。
現在は5haのほ場で、醸造用ぶどう8品種を栽培。花巻市はオーストリアのベルンドルフ市と友好都市であることから、国内では珍しいぶどう品種を栽培していますが、ソーヴィニョン・ブランやシャルドネといった花巻市で実績が少ない国際品種の栽培にも挑戦しています。通常、初めての品種の育成には多くの時間や作業、資金が必要なため一農家では取り組みにくいところ、より地域の特色を打ち出すために努力を続けています。栽培長の堰根慶さんは「育ったぶどうは、地元ワインメーカーであるエーデルワイン社に醸造を委託してオリジナルワインとして販売しています。今後は小さなワイナリーとも協力して、地域を盛り上げていきたいです」と語ります。
国内ワインで珍しい機械導入。農家に頼られる存在に。
ぶどう栽培で苦労しているのは排水です。水田などの耕作放棄地を活用したぶどう栽培のため、クボタの農業機械を使った排水対策はとても重要な作業となります。このほか、管理作業での農業機械やドローンの導入による省力化、軽労化への取り組みや、ぶどう栽培では珍しい生産物の安全管理に配慮したJGAP認証の取得など、花巻でより長く農業を続けていくために、さまざまな新しい挑戦をしています。
今後の目標について「自社ワイナリーを作るのが夢です。そしてこの花巻で、ワイナリーや農家さんが増えていくお手伝いができればと思っています」と堰根さん。社長の菊池啓悦さんも「地域の農家さんに頼られ、見本になりたいですね。少しずつ期待は高まってきていると感じています」と抱負を語ってくださいました。
MKファームこぶしのぶどうで作ったベスピナエ2019
1年に一度の収穫時、スズメバチ(学名でベスピナエ)が集まってきたことに由来し、「自然との共存・共栄」を願って名付けられたワイン。2019年からオリジナルラベルで販売されています。
株式会社 MKファームこぶし
住所:〒025-0003 岩手県花巻市東宮野目13-9
Facebook:https://www.facebook.com/MKfarmkobushi/