乗用だから体がラク。ブロッコリーの中耕作業で時短効果も実感 お気に入りに追加
お気に入りに追加

兵庫県南あわじ市でたまねぎやブロッコリー、葉物野菜を中心に約13.5haを作付けする株式会社A&H。淡路島でのブロッコリー栽培のパイオニアでもある同社では、規模拡大に伴って体力的・時間的に負担となっていた野菜の中耕作業を効率化すべく、クボタの乗用管理機「ナビライダー」を導入されました。ブロッコリーの中耕作業で使用した感想や導入効果について、代表取締役の菱池さんにお話をお伺いしました。

体力的にきつい中耕作業が大きな負担だった

現在、たまねぎ7ha、ブロッコリー4ha、はくさい、キャベツ、レタス等葉物野菜1ha弱、水稲2.5haを栽培する株式会社A&H。規模拡大が進む中、経営の主軸である野菜については、中耕等の管理作業が大きな負担になっていたと菱池さんは言います。

「以前は歩行型の管理機で中耕作業を行っていたのですが、面積が増えるに従い、体力的にかなりきつい作業になっていました。淡路島の場合、基本的に水田で野菜を栽培するので、排水対策が非常に重要になります。高うねにした上で、中耕する際には土をしっかり上げて谷を作り、水はけを良くする必要がある訳です。しかし歩行型だと馬力が大きくないので、1回の作業ではなかなかきれいに仕上がらず、どうしても2回、3回と作業する必要がありました」。

株式会社A&H 同社代表取締役の菱池さん

中耕作業の負担軽減と効率化を図るため、菱池さんが検討したのが、野菜や麦大豆など畑作作物の管理に使用できる乗用管理機でした。特にナビライダーは馬力と価格のバランスが良く、さまざまなインプルメントに対応可能な点が評価できるポイントだったと語ります。

「1台で1種類の作業しかできない機械では、経営上あまりうまみがないので、やはり1台で色々な作業に対応できるような機械を入れていくことが大事と考えています。ナビライダーであれば、野菜の中耕作業とたまねぎの収穫作業、それに加えて防除作業とか追肥作業も対応できるだろうと思いました」。

ナビライダー導入で、作業の負担軽減と汎用性を実感

2条同時で高能率。乗ってできるから体もラク

実際に導入してブロッコリーの中耕作業をしてみて、体の負担は大きく減ったと菱池さん。

「やはり乗ってラクに作業ができるというのは大きいですね。それに、ナビライダーは馬力があるので、1回の中耕できっちりきれいに仕上げられます。そのため、2回、3回と作業を重ねる必要がなく、さらに一度に2条ずつ作業できるので、作業時間自体も短くなります。体感としては、体の疲れ具合でいうと以前の半分程度、作業時間で見ると半分以下から3分の1くらいになるかもしれません」。

体への負担が軽減でき、作業時間が短くなることで、今まで以上の面積を1日でこなすことができるようになる他、ほ場の見回り等、よりきめ細かな管理が可能になることも期待しています。「地域の現状から考えれば、今後ますます面積が増えると思っています。そうした時には、ナビライダーのような機械を上手く使って作業の効率化を図り、対応していかざるを得ないのではないでしょうか」。会社組織として、社員がきちんと休暇を取れる環境を作りたいと考えている菱池さんは機械の有効活用に積極的です。

23馬力のナビライダーに、松山㈱のロータリカルチRM312HNRを装着。
※ロータリカルチは3条のものを2条に変更して使用

活用範囲の拡大が期待できるトレッド調整と公道走行

ナビライダーのメリットとして、トレッド調整にも注目されています。
「うちのように、たまねぎと複数の葉物野菜を栽培している場合、品目によって異なるうね幅に都度調整する必要があります。ナビライダーは、うね幅に合わせてトレッド幅を調整できるので、タイヤがうねの方を踏むことなく、きっちり谷を通るので、ほ場を荒らさないですよね。トレッド調整が簡単にできることによって、品目の変化、うね幅の変化に簡単に対応できる、そういうところが良いかなと思います。」と語る菱池さん。様々なインプルメントへの対応と相まって、1台でより幅広い作業と作物で使用することができる点を評価されています。

さらに公道走行が可能である点も、使い勝手の良さにつながっていると言います。「ほ場は比較的近場に集まっていますが、時間を有効に使うという意味では、公道をそのままさっと移動できるのは良いですね」。

現在、中耕作業及びたまねぎの掘取りにナビライダーを使用していると言う菱池さんですが、今後はその他の作業にも活用範囲を広げ、稼働率を高めていきたいそうです。「可能性が高いところで言うと、追肥作業ですかね。中耕と同時に行えれば、より効率的だと思います。会社として機械を導入する際、1つの作業しかできないよりは、いくつもの作業ができる方が当然メリットが大きい。その点、様々なインプルメント、アタッチメントが使用できる機械は重宝します」と、汎用性を活かして効率化を検討されています。

ナビライダーは前・後輪のトレッドを最小1145㎜〜最大1505㎜まで変えられるので、様々な栽培体系に合った作業ができる

無駄なく無理なく、楽しい農業を

菱池さんが目指しているのは、無駄なく無理なく、楽しい農業。そのために、作付計画や機械化などで様々な工夫をされています。「やっぱり資材や能力とかで無駄なく無理なくしていきたい。あとは体力的にも無理なく、休みもきっちり取れるような、そういう会社にしていきたいなっていう風に思っています。農地が集まってくる状況なので、どこまで受けられるか、その中でどうやって利益を上げていくかを考えると、効率化を突き詰めていく必要があり、そのために必要な機械を導入しています」。

さらに、今後は従業員に機械作業を任せることも視野に入れているそうです。「ほ場がどんどん増え、面積も拡大していく中で誰でもできるような作業に落とし込んでいくことが大事だと考えています。機械選定の際も、従業員にも使えるような、設定や操作が簡単な機械を導入したいですね」。

地域の農地を引き受けながら、経営者として利益の最大化を目指している菱池さん。無駄なく無理なく、楽しい農業に向けて、日々考え、創意工夫をされています。

関連製品

注目の記事

“旬”なキーワード

よく一緒にみられている情報