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クボタからのご提案

〜排水対策と土づくり〜

排水対策と土づくり

(1)今、なぜ湿害が頻発?
(2)圃場の観察と排水技術
(3)排水対策のための機械化提案
(4)おわりに
(この記事は、平成30年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.36』を元に構成しています)

(1)今、なぜ湿害が頻発?

 水田のフル活用が重要な課題となる中、畑利用水田で排水不良が顕在化し経営上の大きな課題となっています。もともと水田は、湛水することを目的としているので、排水しにくいわけですから、排水不良の原因に応じた対策を実行する必要があります。
 排水不良の原因には、1.【気象的要因】偏った集中豪雨が頻発 2.【機械的要因】重い農機により耕盤形成 3.【社会的要因】管理すべき農地面積の増加 4.【人為的要因】堆肥・有機物の不足、地力の減退、作土の浅層化等といったことが考えられます。

(2)圃場の観察と排水技術

 その排水不良の原因を解決するためには、まず圃場を観察し、排水対策のための調査を行います。
(1)まず、水田の立地条件に注目します。図の(田面と落水口底面までの落差)が30㎝程度ならその深さの額縁明きょを掘ることができます。
(2)田面と排水路の水面との落差が50〜60㎝以上なら地表排水に加え地下排水施工が可能になってきます。これらをクリアできれば可能性が広がります。

(3)暗きょの有無、機能の有無は?
→既存の暗きょを利用した地下排水用の集水桝ができます。
(4)隣接田や用水路等からの流れ込みや、湧水は?
→未耕地を挟んだ二重の明きょ圃場内明きょを施工します。
(5)石礫の多い圃場では地下排水用の作業機は使えませんので、排水不良の原因を探る必要があり、圃場中央部の平均的なところに50〜60㎝の穴を掘って簡単な断面調査(作土深、土色、土性、斑鉄、礫出現深、グライ層等)をします。

(3)排水対策のための機械化提案

(1)地表排水対策
溝掘機による額縁明きょは、地表排水の基本で必須の技術です。野菜栽培には高うね(超砕土成形ロータリ等)をお勧めします。大区画圃場では傾斜均平も有効です。
(2)地下排水対策
①サブソイラは本来本暗きょ施工済みの圃場に使用するのが原則です。明きょの底から施工すると、暗きょが十分機能していない場合でも額縁明きょの深さまでは排水できることになるとともに、耕盤破砕の意味も大きく、毎年計画的に施工するとさらに有効です。
②新しい地下排水技術として、最近普及しつつあるインプルメントと排水技術を紹介します。

カットドレーン(穿孔暗きょ機)
 地下40〜70㎝に四角い崩れにくい通水空洞をつくる作業機です。本暗きょの代替あるいは補助暗きょとして使用することができます。転換畑では排水路側の法面から畦畔を貫通して施工できますが、輪換畑で畦畔を壊したくない場合は左図のようなT字型集水桝を作ると、複数年にわたり排水管蓋の開閉で水田としても畑地としても利用できます。
 また、額縁明きょの一部を3m×1m、深さ70㎝掘り下げ集水桝を素掘りし、そのまま作業機を桝に落とし込んで始動する方法もありますが、畑作物の栽培期間中は桝を埋めることはできません。

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パラソイラー
 土を反転せず水田全面を対象に地下20〜40㎝までの耕盤を壊すことができます。水田の畑地化には非常に有効ですが、輪換畑では復田した際に漏水が大きくなったり耕盤が不安定になるので使えません。

地表排水と地下排水の組み合わせ
 カットドレーン+サブソイラ又はカットドレーン+パラソイラーという組み合わせにより更に排水能が向上します。この場合、カットドレーンを先に施工します。

(4)おわりに

 最近はコンバインの轍に長期間滞水した軟弱な水田が多く、排水対策に困難を極める場合が多く見受けられます。
 トラクタ作業は土壌が乾いた条件で行うのが基本です。作業は段取りが大切です。水稲の跡に畑作物を計画しているのであれば、溝切りと強めの中干で十分土を固めておき、登熟期の間断かん水を継続して適期落水時の迅速な排水により田面の硬さを維持できるような努力が必要です。
 排水対策といえば農業機械のみに頼りがちですが、日ごろ営農の中で水管理とか有機物施用を実行することも重要です。

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