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大規模経営を実現!ICTを活用した低コスト農業の展開

超低速作業に対応する自動操舵でオペレータの負担を軽減

〜GPSガイダンス&自動操舵×大規模畑作〜

GPSガイダンス&自動操舵×大規模畑作

今、新たなICTの活用として、GPSガイダンスシステムや自動操舵補助システムの導入が拡がりを見せています。平成28年度の自動操舵補助システムの全国の出荷台数は、前年の760台を大幅に上回る1310台で、右肩上がりに急激に増加しています
※北海道農政部技術普及課の調べ
(この記事は、平成30年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.36』を元に構成しています)

 GPSガイダンスシステムとは、簡単に言えば「トラクタで使うカーナビ」です。地球を周回するGPS衛星が発信する信号を利用して、トラクタの現在位置をモニター画面に表示するとともに、作業に応じて適切な進行経路を誘導することで、効率作業をサポートしてくれます。このGPSガイダンスシステムで受信した位置情報を利用してトラクタのハンドルを自動制御し、設定された経路を自動走行させるシステムが自動操舵補助システムです。
 自動操舵補助システムのメリットとしては、①直進作業中は手放しでもOK。ハンドル操作への集中を軽減できるので、オペレータの疲労を大幅に軽減できる。②誤差数㎝の精度でトラクタのハンドルを手動で操作するのは至難の技。自動操舵補助システムを装着すれば、オペレータの習熟度に関わらずガイダンス通りに作業が可能。③超低速作業に対応する自動操舵補助システムなら、トラクタでの掘取作業やマルチ張り作業なども安定して行える。などが挙げられます。

ながいも栽培のトレンチャー作業と収穫作業に自動操舵補助システムを導入

 青森県六ヶ所村で、ながいも、ごぼう、だいこんの根菜類を生産する合同会社ふじや農産。代表を務める藤谷義秋さんは、JAゆうき青森のながいも生産部会で部会長を任されたこともある地域のまとめ役です。六ヶ所村は、根菜類を中心とした農業が盛んで、平成26年には、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を活用し「六ヶ所村ながいも洗浄選別・貯蔵施設」を建設。JAゆうき青森が管理・運営を行っています。最大で1日25tのながいもを処理できる施設が出来たことで、安定した出荷体制を確立し、全国一を誇る青森県のながいもの生産に貢献しています。
 藤谷さんは、今年、ながいも栽培のトレンチャー作業と収穫作業の効率化を図るために、M7トラクタとGPSガイダンス+自動操舵補助システムを導入しました。「私が、ながいも生産部会の部会長だった頃、年に何度か北海道の収穫作業を視察し、自動操舵についても確認していました。今、一番課題になっているのは、労働力の不足です。高齢化や離農によって熟練オペレータが減少する中、自動操舵などの先進技術は、オペレータの負担軽減や作業の効率化につながると考えていました」と藤谷さん。年々作付面積が拡大する藤谷さんに、昨年、みちのくクボタが150馬力のM7トラクタによる4連トレンチャーでの耕起作業とGPSガイダンス+自動操舵補助システムを提案。それを受けて春の耕起作業と秋の収穫作業を実演機で行いました。実作業を体感した藤谷さんは「この作業効率と楽さを知ってしまったら、すぐに欲しくなってしまいました」と笑います。初期投資、ランニングコストを考えても、導入する価値ありと判断、経営に取り入れたとおっしゃられます。

時速0.3㎞の超低速作業、誤差±2㎝の作業精度

 「トレンチャー作業の場合、0.3〜0.4㎞/hrくらいで1日1.3haは耕起します。超低速で一定間隔を保ちながら直線的に作業することはかなりの重労働です。いつもなら、前方を見てハンドルを動かしながら、後方も確認して作業機を少しスライドさせるんですが、自動操舵なら後ろの作業機を調整するだけです。これは楽です」と藤谷さん。大区画圃場での、200mを超える直線作業の負担が軽減された喜びは容易に想像できます。しかも基地局の設置が不要なVRSによる補正情報を携帯電話会社の通信回線から受信しての自動操舵作業は、うね間の誤差はわずか2㎝しかないとのこと。その作業精度には驚いたそうです。「今、娘婿が後継者として参画してくれていますが、自動操舵を使えば経験と技術がなくてもまっすぐ作業できる。そのことも導入を決めた理由のひとつです」と語ります。
 また、トレンチャー作業は、耕深120㎝で溝を掘ることから、作業機に大きな負荷がかかります。土中への挿入角度が適切でなければ1日で数ヶ所もジョイント部分が壊れてしまうこともあるそうです。藤谷さんは、「自動操舵で作業して、まだ一度も壊れていません。後方だけに意識を向けられる分、以前より小まめな操作ができているのかもしれませんね」と話されました。
※ VRSは国土地理院が設置した電子基準点網から生成される補正情報をスマートフォン等を使用してインターネット回線を通じて受信し、GPS測位の精度を高める方法

青森県で拡がりを見せる農業のICT化

 青森県では、西北地域の十三湖地区においても、「県営十三湖地区農地整備事業」に伴い、県内初となるRTKーGPSの固定基地局を設置。今後GPSガイダンス・自動操舵補助システムを活用したICT農業への展開を想定した動きも起きています。このような官民一体となった取組みが各地で拡がると同時に、藤谷さんのような先進的な担い手農家の動きが交わり、大きなうねりとなって新しい農業が展開されていくのでしょう。

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