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われら元氣農業人

ジャージー種に特化した酪農経営

〜6次産業化への歩みがスタート!〜

6次産業化への歩みがスタート!

大学で酪農を学んだ後に就農された佐久間さん。牛の状態を見ながら、ほぼお一人で飼養管理をされている。大学在学時に家畜人工受精師の資格も取得されており、繁殖管理や人工授精もご自身で行う。
(この記事は、平成30年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.36』を元に構成しています)

 那須岳の山麓に広がる栃木県那須郡那須町は、古くから酪農地帯としての顔とともに、リゾート地域としての顔も持ちながら歴史を重ねてきました。そんな那須町の牧場・農場の中でも、最も標高が高い地域でジャージー種に特化し効率的な自給飼料生産と6次産業化で酪農経営の強化に取り組んでいるのが「那須高原ジャージー農場」です。

震災支援からはじまったジャージー種の飼養

 代表の佐久間さんは、以前はもう少し麓の方で酪農を営まれていましたが、2011年5月に現在地へ移転されました。移られてすぐ、ご自身の牛の飼養に加え、東日本大震災の影響で放牧できなくなった知人の牧場のジャージー種を預かることに。「ウチで搾乳し、その牧場の加工施設に生乳を納入。知人が事業を継続できるよう支援することにしたんです」。支援はその後も継続。さらに縁あって、他の牧場からもジャージー種を引き取ることが続き、ジャージー種を主とした酪農経営に取り組むことを決意されました。生乳は酪農協への出荷が基本で、知人の牧場への出荷も続いていますが、「せっかくならウチでも加工品を」との思いから、まずはソフトクリームの製造、販売をスタートされました。
 去年秋に試験的に販売し、今年の大型連休より自家製の生乳で作ったジャージー乳のソフトクリームの本格的な販売をスタート。ジャージー乳の濃厚さをシャリっとした味わいで楽しめるソフトクリームは評判を呼び、行列ができるほどの人気を博しています。

飼養管理と自給飼料で消費者の想いに応える生乳を

 ソフトクリームの販売を通じ佐久間さんが実感されたのは、「牛乳に対する消費者の方の価値観」。「お客様は、ストーリー性というか、どんなものを食べ、どんな育ち方をしたか、に重きを置かれる」。佐久間さんの牛舎は牛が自由に動けるフリーバーン牛舎。濃厚飼料は購入していますが、粗飼料は基本的に自給。今後、裏山への放牧も計画中。そんな環境で育ったジャージー種であることが付加価値になると実感したということです。現在販売されているソフトクリームも、素材は牛乳と砂糖と脱脂粉乳のみ。「濃厚なジャージー乳を飲んでいるような感じで、子供さんにも安心なものにしたい」との思いから、乳化剤などの添加物は使われていません。

新たな自給飼料への取組みでさらなる付加価値の向上へ

 そうした思いのもとで、今年から新たに取り組むのがソルガムの栽培。「ソルガムは除草剤を使わなくて良いので無農薬栽培が実現できる。ウチのジャージーが食べている飼料が無農薬栽培であることが付加価値の一つにできるんです」。昨年には、高消化性のソルガムの栽培試験を実施。「消化率の良いものがとれるので、十分使える」との自信を得ることができました。ソルガムは、作業が牧草ロール体系に集約できることも大きなポイント。「ジャージー種はそれほど穀類を求めないので、これまで栽培していたデントコーンをソルガムに変えることは特に問題ない。除草剤などの薬剤のコストも抑えられ、ロール体系にできるので労力も軽減できる。クマやイノシシによる食害もない。ソフトクリーム販売を軌道に乗せていく時間を確保するためにも、ソルガムを春に撒いて2回収穫、その後にイタリアンライグラスという体系を確立し、高品質の自給飼料を確保することが今年のチャレンジです」と語ります。

作業効率の向上へクボタとともに機械化体系を確立

 こうした栽培計画の実現には「これまでクボタと進めてきた機械の大型化・効率化が力を発揮する」と言う佐久間さん。
 約4年前には、関東甲信クボタが提案する135馬力のパワクロとクバンランドの3連リバーシブルプラウを導入。「この地域は石が多い圃場が多くて、以前使っていた2連のプラウでは、作業中に度々シェアピンが折れた。折れなければその間に相当な面積が作業できますし、折れないように慎重に作業していく時の心理的な負担も大きい。クバンランドのプラウは石などの障害物に当たるとボディが跳ね上がるバネ式。石が多い圃場でもノンストップ作業ができるのは、大きなメリットです」と語ります。
 佐久間さんにとって、初めてのクローラ式トラクタとなったパワクロについては「傾斜地の圃場で、牽引力や安定性をすごく実感します。また、この地域は急に雨が降ることもありますが、雨上がり直後でも作業できます。限られた期間内に作業を終えたいので助かる」と語ってくださいました。

地域との連携を深めながら6次産業化「農場」としての活動の拡大を視野に

 「この地に移転を決めたのは、将来的に観光施設やリゾート施設と何か一緒にできないかという思いもあったんです」。と言う佐久間さん。ソフトクリーム事業に取り組んでから、そういった施設との繋がりや地域のグループでの活動が活発化。「ソフトクリームを知ってもらえて、やっと6次産業化がスタートできたというのが正直なところです」と語ります。「那須高原ジャージー農場」という名称には、那須高原でのジャージー種に特化した酪農経営という他に、ジャージー種を核とした乳製品の製造・販売、さらには、ふれあい農場など6次産業化への活動拡大の思いも込められているそうです。今後、国産飼料100%による飼養を目指し、チーズの製品化、ジャージーの堆肥を使った野菜などの栽培にも取り組んでいかれる予定です。

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