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大規模経営を実現!ICTを活用した低コスト農業の展開

全国で普及が進む農業用ドローン 課題だった夏場の防除を軽労化

〜クボタ農業用ドローン×中山間地域の効率的防除〜

クボタ農業用ドローン×中山間地域の効率的防除

今、全国で急激に普及が進みつつある農業用ドローン。
防除作業を軽労化、低コスト化できる防除機として期待されています。また、農水省では、「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」を制定、ドローンの安全な利用を推進しています。
(この記事は、平成30年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.36』を元に構成しています)

 今、全国で急激に普及が進みつつある農業用ドローン。今までは、農薬散布には、小、中規模農家では、背負動噴やブームスプレーヤ、大規模経営体では産業用無人ヘリコプタを利用することが主流でした。特に無人ヘリコプタによる水稲防除は、担い手の大規模化に伴い、労働力の軽減が図れるとともに、病害虫の効率的防除が可能なことから、全国で89万ha(H29年農水省)の散布実績があります。
 しかしながら、費用が1千万円程度と高価であることや1人で持ち運びできない等、課題もありました。そのため防除組織に依頼される農家が多く、適期に防除できない状況も見受けられます。農業用ドローンは、そのような無人ヘリコプタの課題を克服し、防除作業を軽労化、低コスト化できる防除機として期待されています。また、農水省では、「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」を制定、ドローンの安全な利用を推進しています。

薬剤散布を高効率・高精度に行うクボタドローン

 クボタは2017年夏より、MGー1Kを発売、農業用ドローン市場に参入しました。MGー1Kは、発売以来、均一な散布と安定した飛行で高い評価を得ています。高精度な3つのミリ波レーダーを搭載し、より正確な飛行高度を維持することができます。この機能により、作物から一定の距離を保つことで、圃場の起伏に関わらず、均一な散布が可能です。また、発売当初は液剤仕様のみでしたが、2018年4月より、粒剤散布装置も加わり、除草剤などの散布が可能になりました。大容量10㎏のタンクにより1㎏/10a粒剤の場合、一度のフライトで最大1haの面積を散布できます。

多品種栽培の課題だった長期間に亘る防除適期

 新潟県村上市で、水稲54haをはじめ、大豆、スイートコーンなどを栽培し、大規模営農を営む貝沼さんは、早くから農業用ドローンに注目。一昨年、地域で先駆的に導入し、夏場の紋枯病、いもち病の防除に活用されています。貝沼さんは、規模拡大に対応するため、多様な8品種を栽培することで作期を分散。さらに、新潟県でいち早く鉄コーティング直播栽培を経営に取り入れることで、育苗作業の省力化と移植・直播の組み合わせによる秋の収穫期の分散を図っています。
 貝沼さんは、「多品種栽培には理由があって、私たちが管理する圃場は、条件不利地が多く、面積の4割以上が中山間地域なんです。作業効率が悪く、コシヒカリだけでは農繁期がパンクします。多品種にすることで農繁期をずらし、品質を落とさないでやっていこうとなったのです。そうすると問題になってくるのが、夏の防除です。品種を増やすと収穫期が分散できますが、当然、出穂期も分散しますから、防除時期が長ければ1か月ぐらいに亘るわけですよ。面積が増えるに伴い、適期に合わせた防除が難しくなってきました」と語ります。

夏場の重労働を一気に軽労化したドローンによる防除

 従来はセット動噴2台で夏場の防除を行っていた貝沼さん。「炎天下での散布作業はとても重労働です。液剤で散布するにはセット動噴しかないんです。産業用無人ヘリコプタも検討しましたが、価格と維持費の面と、中山間地で品種を分散している点を考えたらとても合わないので無理でした。ドローンでの防除を知ったとき、これだと思い即導入を決めました」と話します。
 貝沼さんは、昨年度、水稲と大豆を合わせて約60haをドローンで防除。「MGー1Kは非常に飛ばしやすかったので、まったくストレスがなかったですね。それに少人数で対応でき、すぐ次の圃場に移動できるのもありがたかった。きめ細かい防除ができるので、多品種栽培には非常にいいですね。散布精度についても、ダウンウォッシュによって株元まで液剤が届き、防除効果も十分だと思いました。大豆もドローンで散布しましたが、こちらも防除効果が高かったのでブームスプレーヤの出番がなくなってしまいました」と高い評価。また、作業能率については、「セット動噴の場合、1日当たりの作業は2台で10haがやっとでしたが、ドローンなら1台で13〜14haを難なくこなしました。液剤8ℓで、1haを約10分で作業できたんじゃないかな。お陰でスタッフの夏休みが長くなりましたよ。福利厚生にも一役買ってます」と喜んでおられます。

診断機能としてのリモートセンシング技術の開発にも期待

 貝沼さんは、さらに今年の5月には新しく発売された粒剤散布装置を追加で購入し、病虫害の防除だけでなく、除草剤散布にもドローンの活用を始めています。農業用ドローンの将来性については、「将来的にKSASとドローンとの連動によって、圃場毎の散布計画の作成や散布履歴の確認なども可能になると思います。また、リモートセンシン技術による生育診断(生育量、葉色等)、肥培管理を効率的に行う、ICTの「眼」としての機能が開発されれば、私たちのような多品種栽培でも、品質や収量にさらに貢献してくれる可能性が高いと思います」と語ります。
 貝沼さんの経営理念は、『地域の担い手として、自覚と誇りを持って農業に取り組む。そのために新しい技術と農業の魅力を追求し、地域の発展に貢献していく』ことです。担い手一人ひとりが背負う責任が大きくなる中、ICT農業の進化に大きな期待を寄せています。

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