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渡辺喜代司税理士の なるほど!経営さぽーと#02

〜集落営農は、合意形成が取れたらすぐに法人化!集落営農の法人化についてプロが解説!〜

集落営農は、合意形成が取れたらすぐに法人化!集落営農の法人化についてプロが解説!

法人化するかしないか・・・前回は個人経営からの法人化について考えましたが、今回は集落営農の法人化について。集落営農の法人化のポイントは、「合意形成が取れたらすぐに法人化すること」。渡辺喜代司税理士が解説!
(この記事は、平成26年12月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.30』を元に構成しています)

集落営農は「すぐに法人化」!

 家族経営の法人化と集落営農の法人化の違いは、集落営農はできるだけ早く法人化することが望ましいということです。家族経営は法人化の目的を「残すべき経営か?」ということに重点を置いていましたが、集落営農の場合には、「すぐに法人化」を推奨しています。それは集落営農が法人格を持たない任意の組織という仕組みで運営していることがその理由のひとつで、個人経営の集合体である任意の組織では利益をそのまま内部留保することができません。これは民法上の任意組合(以下「任意組合」といいます)という仕組みで運営している集落営農が多いのですが、この任意組合では利益を構成員に分配しないでそのまま内部留保すると利益が課税されないまま残ることになり、課税漏れが生じます。このため、利益は最後の1円まで分配し、分配を受けた構成員全員が確定申告をする必要があります。

法人化のメリットは? 「機械更新のための内部留保」と 「利用権の設定」

 集落営農は、大型機械の共同利用などをしているため多くの資金を集めなければいけないのですが、しかし機械更新に必要な資金は内部留保ではなく、構成員からの出資か借入れという形でしか集められません。
 資金回収が困難な組織ほど安易に内部留保が行われ、課税漏れ利益の問題が生じています。課税漏れ利益は、税務当局から集落営農組織を法人組織と同等のものであるということで「人格のない社団等」であると指摘を受けることがあります。人格のない社団等は、法人ではないにもかかわらず法人税法や消費税法において、法人とみなされて課税を受けます。このことを一般的に「みなし法人課税」と言われています。この課税を受けると会計上は法人化したことと同じになり、法人税等の申告書を作成することになりますが、人格のない社団等では農業経営基盤強化準備金など農業関連税制の恩恵を受けることはできません。このような場合もすぐに法人化の手続きをとる必要があります。
 また、法人化を勧めるもう一つの理由は利用権設定による農地の集約です。このため転作組織での法人化ではなく、農地利用権を含めて合意形成が図れるコメの生産を集約する組織化が必要となります。最近の集落営農は高齢化及び後継者不足が加速し、草刈り要員もままならない状態に追い込まれ、いかに一人でも多くの方が法人経営に参加する仕組みを作るかがカギとなっています。全国でも見かける法人化の失敗例は、「法人ができたのだからあとは法人でやってくれ」という人任せになってしまう状態です。これでは地域の担い手となることができません。

法人化のタイミングは 「合意形成」が取れた時!

 すぐにでも法人化といってもいつでも良いというわけではありません。法人化をするタイミングは「合意形成」が取れた時なのです。法人化については以前よりは情報が豊富になりましたが、以前は法人化アレルギー?はよく聞き、「法人が乗っ取られる」といった表現をされる方も少なくありませんでした。しかし、法人化で何が変わるかというと税務会計などの事務的な取扱いは大きく変わりますが、現場でする農作業は一切変わらないのです。つまり組織の運営は今までどおり行うことになるのです。
 例えば街でよく見かけるコンビニも個人経営や法人経営がありますが、外から見ただけでは個人経営か法人経営かどちらの経営かわかりません。つまり現場でする小売業はいずれの場合も同じことをしているということなのです。
 一人でも多くの人を集め、コメの生産を含めた合意形成が取れた時には法人化のタイミングとみることができます。法人化をした組合長へ法人化について尋ねたら皆さん口を揃えて「単なる手続ですね」と答えるのも頷けます。
 このように、集落営農の法人化のメリットはと聞かれたら、「機械更新のための内部留保」と「利用権の設定」と答えています。しかし、それが全てではありません。ある組織では水不足の年、法人化をしたことにより、集落における最も良い水の引き込み方法を全員で取り組めたことにより、事なきを得たという話も聞きます。
 また、法人化が遅れると内部留保できない組織は内部利益の全部を分配するため、この分配を期待する労働に参加していない構成員が増えれば増えるほど法人化への足かせにもなりかねません。この様な側面からも「すぐに法人化」ということが言えるわけです。

なるほど!経営サポート バックナンバー
#01 法人化する?しない?法人化を検討するときのポイントをプロが解説!

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