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「ツインこまきによるスクミリンゴガイ対策」を実証し、鉄コーティング直播を、西南暖地でも取り組める技術にしたい!

  • 熊本市東区画図町 / 出田 明人さま
  • 水稲5ha(鉄コ直播30a)・大豆5ha・小麦11ha
  • 栽培管理
  • 熊本県
  • 出田明人さま
  • 2017/06/23

JA熊本市の普通作部会で部会長を務め、農家の相談役として地域をまとめる出田さま。担い手の高齢化が進む中、近い将来、育苗の負担を軽減できる鉄コーティング直播栽培が必要になると考え、3年前から実証農家としてJAの試験栽培に参画しています。

しかしながら、西南暖地ではスクミリンゴガイが多発し、直播や若苗による移植栽培に大きな被害をもたらしています。過去2年、内容を変えながらスクミリンゴガイ対策に取り組んできた出田さまたちですが、今年度、その効果が期待される「ツインこまきによるスクミリンゴガイ対策」に取り組みます。発芽後のスクミリンゴガイの食害を軽減し、収穫まで安心して栽培を行う方法を出田さまの栽培を通じて、年間レポートしていきます。

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鉄コ直播は規模拡大に必要な技術
重労働な育苗が減れば、軽労化につながります

鉄コーティング直播栽培は今年で3年目です。農協から「取り組んでみないか」と提案があって、試験的に栽培を始めました。地域の高齢化により農家を辞める方が多く、担い手の経営面積が増える中、労力の軽減や苗箱の不足などの資材面の問題も解決できると思いますので、鉄コーティング直播の技術には期待しています。

実際に始めてみると育苗をしなくてもいいので、労力とコストが軽減できるため将来的に経営面積が増えても、鉄コーティング直播なら対応していけると思います。移植と比べて収量が減少しても取り組む価値は十分あります。ただ、この地域では水利の問題があって、用水が使える時期が決まっているので、地域の皆さんに鉄コーティング直播の価値を理解していただき、地域全体で取り組むことが必要だと考えています。

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課題はスクリミンゴガイによる食害。
3年目の今年は、徹底した対策を施して収量を確保したいです

鉄コーティング直播における課題はスクミリンゴガイによる食害ですね。初年度は均平が取れていないところは、スクミリンゴガイの被害がかなり大きかったのと、水口に袋状の網を仕掛けていたのですが、小さいスクミリンゴガイは網から抜け出し圃場へと入ってしまい、苗を食べられる結果となりました。昨年は初年度の失敗をふまえて、播種後に早めの防除剤散布でスクミリンゴガイの被害を抑えようと考えましたが、前年並みの5日間での発芽を見込んで、そのタイミングに散布を考えていたところ、天候に恵まれ過ぎて3日で発芽。防除の遅れから、圃場全体にスクミリンゴガイの食害が発生しました。その結果播き直しをする程の被害となりました。播き直しの播種では、額縁明きょと防除剤の効果でスクミリンゴガイの被害は少なく、収量は8俵でした。

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3年目になる今年は額縁明きょをしっかり施工し、圃場全体の均平を意識しながら代かき作業を行い、スクミリンゴガイを額縁明きょに集めてスポット処理を施す方法を実施したいと思います。また今回初めてツインこまきを装着した田植機で、播種と同時に除草剤とスクミリンゴガイ防除剤の同時散布を予定しています。これによって、防除剤の散布遅れもなくなりますし、圃場全体のスクミリンゴガイの密度を発芽前に低くする対策を取ることができるので、今から楽しみにしています。

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今年初めて自分でもコーティング作業を行いました。
育苗に比べればとても簡単な作業ですね!

今年の鉄コーティング直播栽培は、全国農業システム化研究会の現地実証も兼ねています。そのお陰で、5月22日にJA八代で行われたコーティング作業の実演研修会に参加させていただきました。過去2年は、コーティング種子については、農協が準備したものを播種しましたので、実は、コーティング作業を見るのも、するのも今日が初めてです。慣れたら育苗よりも簡単でしたね。地域全体で取り組むことになれば、自分たちでコーティング作業をすると思います。そういう気持ちで、今回の作業に参加させていただきました。色々学びながら、今年の栽培でいい成果を出していきたいです。

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混合鉄粉で作業の手間を省く。
計量・混合いらずで、よりラクなコーティング作業

従来の鉄粉と焼石膏を混ぜてコーティングする方法では、計量や混合の手間がありました。混合鉄粉を使用すれば、種もみの重量に合わせて、すぐ使えるので、作業手順の省力化が図れ、現場が煩雑な時期や大量生産には有効な資材です。 

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㈱クボタ アグリソリューション推進部 
泉 恵市 技術顧問
 
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今年は西南暖地の鉄コ普及元年!「ツインこまきによるスクミリンゴガイ対策」で
鉄コーティング直播栽培の普及を目指します!

鉄コーティング直播栽培(以下鉄コ直播)は全国的に栽培面積が広がっていますが、西南暖地ではなかなか普及が進んでいません。一番の要因はスクミリンゴガイの食害です。省力化、軽労化技術として関心を持たれている方も多いのですが、発芽時に食害を被る事例が多く、スクミリンゴガイの密度が高い圃場では、鉄コ直播の栽培を推進することは難しいことでした。

出田さまの圃場でも一昨年から試験的に鉄コ直播に取り組んでおられましたが、実証圃場もスクミリンゴガイの密度が高く、1年目、2年目と共に、スクミリンゴガイの被害があり、特に2年目はスクミリンゴガイに苗をほとんど食べられてしまったので、再播種を行いました。

過去の対策として、防除剤「スクミノン」を、播種後、発芽までにミスト機で散布。あとは浅水管理で対応しましたが、額縁明きょなどは事前に施工できず、十分な排水ができないところで食害を受けることが多かったようです。

しかし、昨年の熊本県人吉市における現地実証で高い防除効果が得られた「ツインこまきによるスクミリンゴガイ対策」によって、西南暖地でも栽培が可能と、十分に確信の持てる技術として確立できました。そこで、今年を「西南暖地、鉄コ普及元年」として位置付けて、スクミリンゴガイの食害を回避しながら、鉄コ直播を安定させる実証を、本格的に進めていきたいと考えています。 

 

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クミリンゴガイの最も食害に遭う時期は、出芽期から3葉期までです。5月末から6月に播種しますと、約3週間は食害を受けることになります。その時期を乗り越えるために今回は以下の3点の対策を施していきます。

①「圃場周辺に額縁明きょを施工」

播種してから約3週間の水管理が計画通りに出来るように事前準備として、圃場周辺に額縁明きょを施工します。発芽し始めて落水する時期に、スムーズに水を落とせるような体制をつくります。

②「ツインこまきを使った播種同時のスクミリンゴガイ防除剤散布」

ツインこまきを使った播種同時のスクミリンゴガイ防除剤散布で、圃場全体に均一散布を行い、発芽前にスクミリンゴガイの密度低下と活動を抑えます。

③「額縁明きょにスクリミンゴガイを集めたスポット処理」

スクミリンゴガイは水があって初めて動けます。水の中でしか餌を食べられないという食性があるので、発芽し始めたら落水して、額縁明きょだけに水を溜めておきます。スクミリンゴガイの特性を利用して額縁明きょにスクミリンゴガイを集め、スクミリンゴガイ防除剤を散布によるスポット処理を行います。

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