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秋田県大仙市 株式会社RICEBALL

〜「魅せる農業」に挑む若き担い手〜

「魅せる農業」に挑む若き担い手

「作ったものは自分達の手で」をコンセプトに、秋田県大仙市であきたこまちの生産・直販に取り組んでいる株式会社RICEBALL(ライスボール)。平均年齢35歳の若さを原動力に「魅せる農業」に挑戦している同社の代表取締役社長 鈴木貴之さんにお話を伺いました。
(この記事は、平成27年11月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.32』を元に構成しています)

米の価格への疑問から始まった「農業ビジネス」

 秋田県の非農家出身の鈴木社長は、30歳頃まで関西でサラリーマンとして過ごしていました。「父親が定年後、農地を購入して、近くの農家さんに農作業をお願いしていたんです。その実家のお米が送られてきたので、日頃、お世話になっていた方にお礼としてお分けしたところ、美味しいので年間通じて販売して欲しいと頼まれたんですよ。父親に相談すると、売ってもいいけど、JAにしか出荷したことがないので金額の付け方がわからないと言われたんです。結局、その方が普段購入してる金額で10㎏・4000円をいただくことになりましたが、この時に不思議に思ったんです。なぜ農家が自分で直接販売しないのかなと、売れば値段が倍なのにとかね。それで色々勉強して、農業の現状を理解しました。同時に、これはビジネスにしたら面白いと思ったのです」と鈴木社長。

地道な営業で販路を開拓。目指すは「魅せる農業」

 圃場も機械もない状態から、まず売り先を探し、大仙市の大規模農家から米を買い付ける形で農業ビジネスをスタート。その農家で繁忙期に農作業を手伝いながら、栽培技術を学んでいったと言います。鈴木社長の経営方針は、まず販路を確保してから生産に取り組むスタイル。「あきたこまち一本にこだわることで、生まれるストーリーもあると思います。ターゲットは価格にこだわらないお客さま。本当に美味しいお米を探している人が結構いるんですよ」。スタッフと共に、首都圏を中心に、サンプル米を持って、地道に飲食店や会社を訪問。販路開拓を進めた結果、今では、飲食店や老人ホームなど大口取引先が約30軒、個人契約者も200軒を超え、当初300袋から始まったビジネスは、今や出荷量で年間4000袋、12tまで拡大。平成27年度の作付面積は50haにまで経営を拡大させています。
 RICEBALLを支えるスタッフは、現在、鈴木社長を含めて7名。上は41歳から最年少の19歳まで、平均年齢35歳という若さです。この若い力が急成長の原動力でもあります。鈴木社長は、「私が目指しているのは、『魅せる農業』です。従来の農業に対するイメージを変えたいんです。私たちは作業する際の服装にも気を使っています。よく農業は3K(きつい、汚い、カッコ悪い)などと言われますが、やり方次第できっと魅力のある職業に変えることができるはずです。収益が上がり、所得も増えれば、農業もやりたい仕事として就職の際のひとつの選択肢になるはずです」と農業への熱い思いを語ります。

経営強化につながる営農支援システムKSAS

 また、鈴木社長は、「私は、長年農業に携わっている農家の方々と比べれば『小学6年生』のようなもの。それを補ってくれるのが機械力です。そういう意味でも、秋田クボタには、機械の面からも営農の面からも私たちをサポートしてもらっています」と話します。その秋田クボタから、昨年6月に「経営を見える化」することで農業経営の改善が図れるクボタ営農支援システムKSASの提案を受け、秋田県で最も早く導入しました。
 さらに大きなメリットとして評価した点は、「食味を数値化できる」こと。「米糠や鶏糞を入れるとお米が甘くなるよ、と農家の方に教わって、食味を上げるために色々と取り組んできましたが、具体的に何がいいのかは数字では出てきません。それがKSAS対応コンバインなら、このお米はタンパク含有率が6%なので食味がよいですとか、数値で示せるんですよ」と、新規開拓の大きな武器になると力を込めます。

経営規模100haとアンテナショップの展開を目標に前進

 鈴木社長の目標は、設立10年で100ha。そしてもうひとつ、近い将来「おにぎり屋さん」を全国展開すること。「農家が握る美味しいおにぎりを多くの人に食べてもらいたいし、アンテナショップとして営業をサポートできます。これはぜひ実現させたいですね」と語ります。
 実際に、毎年、東京で開催されているイベントにも積極的に参加。露店でおにぎりを販売するなど、お米の消費拡大と市場調査につなげています。「東京ドームでのイベントでは、継続して参加してきたことで、今までJAが提供してきた白米をうちが受け持つことに決まりました。これは大きなチャンスだと思っています。この勢いに乗ってこれからも攻めの経営を続けていきたいですね。そうすれば農業が魅力あるものだということを、もっと発信できると思います」と熱く語ります。若き起業家の夢は、もう手の届くところまで近づいてきているようです。

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