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農業・農村の所得増大に向けた土作り#04

〜畑1枚1枚の土の性質を見ながらパワクロで土づくり!高収量・高品質を実現〜

畑1枚1枚の土の性質を見ながらパワクロで土づくり!高収量・高品質を実現

長崎県諫早市で、ばれいしょ・だいこん・にんじんの輪作を行う中野孝則さん。土作りに力を入れ、畑1枚1枚の土の性質を見ながら排水対策・肥培管理を行っています。高収量・高品質を実現する畑作の土作りの秘訣に迫りました。
(この記事は、平成27年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.31』を元に構成しています)

 平成8年度にスタートした県営畑地帯総合整備事業(担い手育成型)による畑地の基盤整備を契機に、ばれいしょとにんじん、だいこんの輪作体系が確立された諫早市飯盛地域の畑作地帯は、春作ばれいしょの産地。西日本を中心に安定出荷され、高い市場評価を受けています。牧野台地生産グループの代表を務める中野 孝則さんは、春作ばれいしょのマルチ栽培をご夫妻、ご長男との家族経営で5ha、また裏作として全面積にだいこんとにんじんを作付けしています。

畑の空く7~8月が土づくりの勝負

 「過去15~16年、土づくりには力を入れてきましたから、水もちや肥料の効きは最高。透排水性・通気性も抜群で、野菜の生育にはぴったりの土壌です。メークインに特有の青枯れ病も出たことがないですよ」と自信をみせる中野さん。「粘土質で乾燥気味の土質なので、気温が低く、雨の多い冬場は耕うんしすぎると土が固まってしまうんです」といい、排水対策や肥培管理などの土づくりを行うのは、ばれいしょの収穫が終わり、だいこんやにんじんの播種が始まるまでの7〜8月が勝負だそうです。

 基盤整備からかなり時間が経ち、暗きょの効果が低下しているので、例年、まず、排水対策としてパワーショベルで明きょを施工。その後、連作障害防止のため土壌消毒器でクロルピクリンを土中に注入します。さらに15~16年来、毎年、ばれいしょの収穫作業と同時にスーダングラスを播種。梅雨時の豪雨による土壌の流亡を防止すると共に、フレールモアで細断し、緑肥としてすき込んでいます。

透排水性の向上にスタブルカルチが大活躍

 作物の生育向上と排水対策に大いに威力を発揮しているのが、スタブルカルチによる作土の粗起こしです。「ロータリ耕だけだと、土が練られて徐々に透排水性が悪くなるので、3年に1回ぐらいスタブルカルチをかけています。ロータリで約10~15㎝起こし、スタブルカルチでその底の土壌を少し割るぐらい。深さ25㎝ぐらいですね。そうすると、透排水性がよくなり根もよく伸びる。」作土層はあまり極端に深くしすぎない方が生育には良いことからもスタブルカルチは最適だそうです。
 肥培管理にも力を入れ、緑肥に加え、堆肥を10a当たり300~500㎏散布。また、2~3種類をブレンドした有機肥料や、ミネラル等微量要素を基肥としてバランスよく施用しています。

パワクロの低踏圧、けん引力、直進・安定性が大きな武器

 中野さんは34馬力を筆頭にクボタのパワクロを3台所有し、営農の大きな武器として役立てています。「18馬力は肥料散布と消毒に、23馬力は主に播種作業に、34馬力はけん引力を必要とするスタブルカルチやロータリなどに使っています。畑の大きさがまちまちなので、どこの畑でも使えるように、また粘土の多い細粒な土質なので、あまり機体が大きすぎないものがいいんです。」
 地域で一番にパワクロ導入に踏み切った最も大きな要因は、低踏圧性です。「同じ畑で46馬力のホイルトラクタと34馬力のパワクロの2台で同時にロータリ耕をしてみたのです。そうしたら、ホイルの方は土がごろごろ、パワクロの方は、ふかふか気味にきれいに仕上がりました。土が柔らかいと作物も良く育つので、これだ!と思いました。」また直進・安定性が良いのでスリップせず、雨あがりでもすぐに作業できるところも助かるそうです。

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畑の状態に適した肥培管理と丹念な管理で高収量・高品質な作物づくり

 作物は全量、九州・中国・関西の市場に出荷している中野さん。「所得を増やすには、品質・収量の向上で市場競争力を上げるしかない」というのが信条です。「そのためには、土壌や作物の状況にあった肥培管理と、作物に手間をかけてやることが大切です。」日々、生育状態に気を配り、収穫時には地力や作物の出来を良く見て肥料の過不足を調整。また、メークインでは1株1株芽を摘むといった丹念な管理の努力が実り、例年、収量は約4tと安定し、階級も2L・Lの大玉が半数以上。また、花玉と呼ばれる2S以下の希少なばれいしょも高級料亭に出荷しています。
 「野菜づくりは天気しだい。だから、教科書通りやればいいわけじゃない。日々よく作物を観察して畑の状態を推し量り、状況に合った管理をしていかないといけない」と中野さん。「畑の土は1枚1枚違うので、それぞれの性格を全部把握していないと良い作物づくりはできません。農家にはスーパーコンピュータのような頭が必要ですね」と笑顔を見せます。


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